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冬になると気分が落ち込む人は要注意

冬は「冬季うつ」に気をつけたい季節です。
寒いと「なんとなく憂うつになる」というのは誰にでもあることですが、秋から冬にかけて意欲の減退や、気分の落ち込みが続いているような場合は、冬季うつを発症している可能性があります。
今回はそんな冬季うつについて詳しくお話ししていきます。

■冬季うつとは

冬季うつは、正式名称を「季節性情動障害」「季節性感情障害」、別名「ウィンターブルー」などと呼ばれる季節性のうつ病です。秋口から冬にかけて発症し、春先になると症状が改善されるというパターンを繰り返します。
秋口から冬にかけて発症し、春先になると症状が改善されるというパターンを繰り返します。

冬季うつにはほとんどの場合、明らかな心理的要因がありません。
「冬だから」という理由以外に、はっきりとした原因を見つけられないのが冬季うつなのです。

■冬季うつによく見られる症状

10~3月の時期だけに以下のような症状が現れるのが冬季うつです。
精神的な症状は一般的なうつ病と変わりませんが、身体的な症状が食欲不振や不眠が出やすい一般的なうつ病とは異なります。

【冬季うつの特徴】
<精神的な症状>
・これまで楽しかったことが楽しくなくなる
・イライラしたり、突然不安になったりする
・気力や集中力が落ちる
・人に会いたくなくなる
・午前中は特にやる気が出ない

<身体的な症状>
・いくら寝ても寝足りない(過眠)
・炭水化物や甘いものがほしくてたまらなくなる(過食)
・性欲が落ちる

もちろんこのような特徴に当てはまるからといって、冬季うつと決めつけるのは早計です。
しかし、このような症状が秋から冬にかけて毎年現れるようなら、冬季うつの可能性は高いでしょう。
違和感を覚えた時点で、一度は精神科や心療内科に受診をおすすめします。

■冬の間だけ発症するその原因は?

冬季うつの原因ははっきりとわかっていません。
しかし、冬の時期にだけ現れる症状であることから、日照時間が影響しているのではないかと考えられています。

もともと人の脳は、太陽の光を浴びると、心のバランスを整えてくれるホルモン・セロトニンが分泌され、幸せを感じやすくなるといわれています。
また、セロトニンは睡眠の質がよくなる、メラトニンという物質の材料にもなるため、心身の休息には欠かせない物質でもあります。

冬はどの季節より日差しが弱く、日照時間も短いのは言うまでもありません。
その季節性が、セロトニンの分泌に影響し、睡眠を中心に生活リズムの乱れにつながり心身の不調が起こりやすくなるのです。日光浴は、実際に冬季うつの治療や予防にもおすすめされており、一定の効果が見られています。

■生活の中で冬季うつの人が気をつけたいポイント

・日光浴をする
リモートワークの増えた最近は、日照不足になる人が増えています。
家にいるときも朝からカーテンを開け、日光を浴びる習慣をつけることが大切です。通勤していても地下鉄とオフィスにこもりきりの仕事では、なかなか日光に当たる機会がありません。
朝の通勤時に一駅歩く、ランチはテラス席や窓際の席に座るなど、意識的に陽の光に当たるよう心がけましょう。

・栄養バランスを考えた食事をする
年末が近づいてくると、慌ただしさで食事がおろそかになってしまう人も少なくありません。
飲み会や外食が多く、偏った食事になりやすいのもこの時期の特徴です。食事から摂る栄養は、セロトニンの生成と直結します。
意識的に、肉、魚、卵、野菜をバランスよく食べるよう心がけましょう。

・疲れを溜め込みすぎないようにする
年末年始は仕事や付き合いが忙しいだけでなく、楽しい行事も多いため無理をしがちです。
ストレス発散のためには、プライベートの充実も大切ですが、身体的な疲労感も無視してはいけません。ただでさえ今は、コロナ第8波の感染拡大、円安による物価上昇など不安に感じることが多く、さまざまな社会情勢の影響を受けることによって、メンタルが疲れやすくなっています。
忙しいときほど何もしない一日を設け、心身をしっかり休ませるよう心がけましょう。
胃腸の不調や寝不足、倦怠感などがあるときは、予定をキャンセルすることも大切です。

・睡眠時間をしっかり確保する
心身の疲れにとって、睡眠はとても大切です。遅くまで仕事をしたり、お酒の付き合いに奔走したりと、睡眠時間を削りがちな年末は、できるだけ睡眠時間を確保できるようスケジュールを組みましょう。
また、可能な限り生活リズムを整える努力も大切です。

■最後に

春になればよくなるとしても、冬季うつはれっきとしたうつ病です。
もし「毎年、冬になると気分が落ち込む」と思い当たる節がある場合は、できるだけ早く精神科や心療内科を受診してください。

そして、もし「毎年、冬になると気分が落ち込む」と思い当たる節がある場合は、できるだけ早く精神科や心療内科を受診してください。
春になれば治るとしても、冬季うつはれっきとしたうつ病です。
何カ月も一人で苦しむ必要はありません。


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