見出し画像

夏休みが明けたばかりなのにやる気がでない……それは「9月病」かも

みなさんは「9月病」という名前をご存知でしょうか?
「5月病」と同じく、長期休みの後などに発症しやすい季節性の不調のことです。気分障害の一つであることから、うつ病とも深い関係があります。
今回は、そんな9月病についてお話しします。

知らないとちょっと怖い9月病

5月病に比べたら知名度はそれほど高くありませんが、9月病はある意味で5月病より問題視されています。
それは1年のうちで最も子供の自殺が多いといわれているのが、夏休み明けの9月1日だからです。
これはお盆休みを取った大人にも見られる傾向です。休み明けに生活リズムを戻せなくなってしまったり、休みボケでストレスが溜まりやすくなってしまったりすることで、精神的な負担を感じやすくなってしまうのです。
 
日頃激務に追われている人ほど、一年に一回くらいまとまった休息がほしいと思うものでしょう。
しかし、あまりにふだんと落差の激しいゆるやかな休息を取ってしまうと、日常に戻るための労力が必要です。
なんとかしなければともがくほど精神的に追い込まれ、ついには「もう何もやりたくない」という心理状態に陥りやすくなります。
 
また、9月は気温や日照時間の急激な変化も起こりやすく、体調を崩しやすい季節です。
体が疲れれば心も疲弊します。こうして9月病は、じわじわと私たちの背後に忍び寄ってくるのです。

生活習慣の見直しが最大の予防に

秋の旬な食材を楽しみましょう。

お休み気分が続いていると、どうしても怠けたくなるのは人の性でしょうか。
しかし、やる気が出ないと思うときこそ、食事、運動、睡眠のリズムを整えることが9月病対策になります。
 
■「バランスのいい食事」は健康の基本です
日照時間が短くなる9月は、うつ病発症と関係の深いセロトニンや質のよい睡眠に必要なメラトニンなどの脳の神経伝達物質が減る傾向にあります。
たんぱく質やビタミンなどだけでなく、脳の働きを助ける栄養にも注目することがこの時期の栄養バランスには大切です。
魚、肉、大豆製品、豆、アボカド、バナナなど必須アミノ酸(なかでもトリプトファンを多く含む食材)を含む食材がおすすめです。
旬の食材は栄養価が高いので積極的に取り入れましょう。
 
■「適度な運動」で血のめぐりのいい体を保つ
血のめぐりが悪いと、体が疲れやすくなるだけでなく、睡眠の質が悪くなったり食事がおいしく感じられなくなったりすることもあります。
リモートワークが増えた人は特に、仕事の合間のストレッチなどを意識的に行うようにしましょう。
1時間に1回、肩甲骨や首を回すだけでも血のめぐりは変わります。
このわずかな動きが、気分のリフレッシュにもなります。
 
■「質のいい睡眠」は心身の万能薬です
ぐっすり眠ったら体がすっきりした、寝て起きたら嫌なことも忘れていた、という経験のある人は多いのではないでしょうか。
質のいい睡眠は心身の万能薬です。
長期休暇で逆転した睡眠リズムを朝型に戻し、できるだけ7時間前後の睡眠時間を確保しましょう。
寝る前にブルーライトを見ていると、寝ている間の脳神経に影響して睡眠の質を下げます。
睡眠前30分ほどはスマホやテレビ、蛍光灯の光をできるだけ浴びないことが大切です。

精神科や心療内科での診療が必要な9月病もあります

季節の変わり目の不調は、疲労や更年期障害とも間違われやすい傾向があります。
9月病は「病」と呼ばれますが、厳密には病名ではありません。9月という時期に発生するさまざまな不調を総称して9月病と呼んでいます。
 
一般的には、発症してもそれほど長引かないのが9月病の特徴です。
しかし、9月病も症状の重さはそれぞれで、きちんと対処をしないと最悪の場合うつ病を併発してしまう可能性もあります。
倦怠感が強くなり、徐々に意欲が低下し、物事への関心が失われていくような症状が見られたら、すみやかに精神科や心療内科を受診しましょう。

がんばった自分にはご褒美を

どんな不調にも同じことがいえますが、本調子ではないと感じるときはがんばり過ぎないことが大切です。
がんばり屋さんほど、周囲の目があるから休み明けにだらけてはいられないと考えるでしょう。
しかし、人の目よりもあなた自身のほうが大事です。
 
どうしても力を抜けないというときは、「今日は残業しないけど、ここまでは集中する」というように、仕事にもメリハリをもうけましょう。また、「1週間乗り切ったから、今日はご褒美に〇〇を買って帰る」といった、自分へのご褒美をいろいろ用意してみるのもおすすめです。
 
小さな目標のクリアと満足感が、9月病からの回復を助けます。
無理をせず、時にはコソッとなまけて、心を労わる毎日を過ごしてくださいね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?