古典を読む良さとして、その行為を通して自己を肯定できるという視点が出てきたということ

たまたまラジオをつけると、上白石萌音が話していた。「上白石萌音の “もねがたり“ 2022(後半)」という番組だった。そこで、古典の本を読むことの良さや、よく聴く音楽として、チェットベイカーを挙げるということをしていた。なかなか上質な生活を送っているのだなと思わされる。

その話の中で、古典を読む良さについて、2つを挙げていた。一つは「自分の心の畑を耕せること」。そしてもう一つは「そんなすごい作家さんを読んでいる自分に酔いしれることができる」こと。「心の畑を耕す」とは良い表現だと思う。古典作家として、カフカやヘミングウェイなどの名前を挙げていたと思う。このような作家たちの作品は、長年読み続けられてきただけあって、なかなか良いのだという。それを読む自分に酔いしれ、自分を肯定することもできるという視点は、現代的で面白かった。古典を読む行為を自分を成長させるとか、何らかの変化を求めてとか、そういったものとして見るのではなく、古典を読む行為それ自体を通して、自己を肯定させるものとして捉える、というのは面白かった。

チェットベイカーにしてもそうだが、話の中で出てくる言葉が面白く、色々と考える人なのかもしれない、と感じさせられた。「エルマーの冒険」を読み返した話や、絵本作家エドワード・ゴーリーの「うろんな客」や渡辺茂男による「もりのへなそうる」などの作品についての話は、その背景にある質の高そうな生活が垣間見れたような気がした。

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