オールドファッション その3
冬の間は毎週行っているお店が冬季休業中なので、チェーン店の珈琲店でnoteを書いている。
以前書いた、荷物を机の上に置く文化を作り上げているお店だ。
後ろの席から聞こえてきた。
「チキンカツパンを4頭分にして下さい。それとティラミス、コーヒーゼリー」
(ふむふむ)
「以上で」
(でた!)
ここはホカホカのおしぼりまで出してくれる珈琲店と名のつくお店だが、飲み物は頼まれずだった。
ここではこれがよくある日常である。
結論だけ言えば、そうなる仕組みを作っているお店が悪い。
クラシックでは軽食、スイーツ単品での注文は遠慮頂き、飲み物と併せて頼んでもらうようにお願い書きをしている。
「プリン2つで」(お願いしますと言われることはまずない)
それでもそういう事がままある。
時にはこちらの予想を上回る頼み方もある。
(ふたりで来て)「カフェラテとプリンで」(もちろんお願いしますはない)
確かに飲み物と併せてである。1人1ドリンクのお願いを直接的に書いていない、こちらの落ち度ということになるだろう。
店が、店員が見下される文化圏で作り上げられた文化が、一般社会の多くの部分を占めるようになってきた。
個人店が尖ったままでいれば、その文化に風穴を開けることは可能なのだろうか。
最近、理解はできないけれど受け容れている新しい文化がある。
それは、皿を奪うように受け取ろうとする文化だ。この数年、10代20代前半に急増してきた。
皿をテーブルに置きたいのだけれど手を出されて、仕方なく手に置くと、割と勢いよく引いていく。
「お皿が重いので…」とささやかな抵抗をして気付いてもらえるか試すこともある。もし、受け取るのがあまり快く思われていないことを知らない人がいたら、ちょっと耳を傾けてほしいのです。
給仕の人は、そーっとあなたの前にお皿をを着地させようとしています。盛り付けが乱れないように、料理の正面を向け、1番よい状態で目の前に置かれるように。
1番よい状態を目の前に出現させる為に、あなたの前は空けておいて下さい。スマホを正面に置きっぱなし、手や腕をよけない、それらはわたしたちの奉仕したい気持ちを萎ませます。
フードコートの影響なのだろうか?料理(トレー)は手で受け取るもの。そういう文化を作っている飲食店がきっとあるのだろう。
個人経営の飲食店以外に滅多に行かない私が、一般社会を見るのはこの珈琲店くらい。
そろそろ冬季休業が終わる。珈琲店での社会観察もそろそろ終わり。ひと夏、また一般社会との距離が離れていくだろう。
井戸の中に降りてくる人々の中に、おや?と思う文化圏の人の割合が増えてくると、大海で新しい文化が生まれたのだなと思いを巡らせることになるのだ。
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