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あるときは赤坂自民亭女将、あるときは死刑執行人、そしてあるときは親中従米ウクライナ支持者 しかしてその実態は新首相候補・上川陽子

上川陽子さん…最近にわかにマスゴミが持ち上げている女性初の首相候補。「一度に13人もの死刑執行にサインできるなんて胆力がある」が唯一のセールスポイントですが、本当にそうでしょうか。
胆力とは、明鏡国語辞典によると、
<簡単には物事に動じない気力。また、物事を恐れない気力、度胸。>
と良い意味しかない言葉です。
しかし、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内に中国が大型の観測ブイを設置している問題では、胆力のある対応を全く示せていません。本当に国益を守る胆力があるんですか。
 
そして、最近驕りがピークにある自民党の6年前の驕りをちょっと思い出してください。
 
2018年7月5日㈭
自民党員にだけはハナモクの夜だったのかもしれません。5日夜、衆院赤坂宿舎で安倍晋三元首相らとの「赤坂自民亭」と称する飲み会が賑々しく開かれていました。西日本で記録的な大雨の予報が出ていました。安倍元首相の地元山口、岸田現首相の地元広島も大変な豪雨被害に直面していました。この西日本豪雨で広島県では最多の115人(消防庁2019年1月9日現在情報)が亡くなっています。東京生まれ東京育ちの岸田さんにとって広島県は地元ではなく地盤でしかないのでしょう。
このときは、当時官房副長官の西村康稔さんがSNSで楽しそうに発信したころから矢面に立ちましたが、安倍元首相の国会答弁を読むと、もちろん「安倍ガー」ではない自分でも無責任な印象を持ちました。
 
7月10日の参議院内閣委員会での杉尾秀哉参議院議員の質疑から以下のことがわかります。
5日当日は、西日本と東日本で大雨が降る状態が8日頃まで続き、記録的な大雨となるおそれがあるため、気象庁が午後2時異例の緊急会見をしました。既にこの時点で17万人に避難勧告が出ていました。
▽実はこの翌日オウム事件の松本智津夫死刑囚ら幹部の死刑の大量執行がありました。もう既に7月3日に執行命令書にサインがされています。当の上川法務大臣も出席されまして、上川大臣はおかみという役だったそうです。
 
これだけの事例で、「あれ?これは胆力のある人か」と思われるかもしれません。胆力ではなく、鈍感、無神経という言葉が浮かびますが、実際はもっと悪質の「無法」です。
 
門田隆将著「オウム死刑囚 魂の遍歴―井上嘉浩 すべての罪はわが身にあり」(2018年PHP研究所)を読むと、法務大臣の任に非ず、法の番人にはなりえない人、と言わざるを得ません。

松本サリン事件、地下鉄サリン事件と史上最悪のテロ事件を起こしたオウム真理教の井上嘉浩元幹部を死刑にしたからなんだ、という人もいるかもしれません。しかし、本書を読むと、井上元幹部が16歳から入信し、「修行の天才」と称され、多くの入信者を獲得。LSDと覚醒剤を用いた麻原教祖の洗脳の下、自分及び家族の命も脅されながら、殺人の場からは逃げ続けていたこと。洗脳から解け、教団を脱会し、教祖らほかの幹部らの公判にも積極的に証人として出廷し、自分が犯していない罪も含めて教団の罪と真摯に向きあっていたことがよくわかりました。
1審ではそれらを踏まえて詳細な検討が重ねられ、検察の死刑求刑に対して無期懲役の判断が下され、4年後の2審では逆転死刑判決オウムの死刑囚13人の中で唯一1審と2審の判断が分かれました。そして2009年12月最高裁への上告が棄却され死刑判決が確定。
逆転判決自体、オウム幹部への無期懲役を良しとしない世論におもねったような感がありますが、以下の記述を読み、この上川氏の死刑執行命令は相当ひどい決定だと思った次第です。
 

再審請求が動き出した日に死刑執行命令


<死刑確定後、…井上の犯罪に対して「新証拠」が発見された。弁護士は、2018年3月、確定判決の事実誤認を、その新証拠によって証明すべく、「再審請求」をおこなった。>
経緯を本書からまとめると、
<新証拠とは、目黒公証人役場假谷事務長拉致事件で、假谷さんの死の当日の夕刊各紙が医師の中川幹部(7月6日死刑執行)に偽証の疑いを突きつけることになり、井上元幹部の関与度合いに疑問が出て再審の可能性が出てきました。
担当弁護士は2018年3月13日再審請求書を東京高裁に提出、5月8日再審請求に関する進行協議が始まり、2回目の進行協議が7月3日に開かれました。検察官は井上の携帯電話の発信記録(※假谷さん事件で中川証言を覆す)の開示を約束し、裁判官は次回の進行協議を8月6日に指定しました。>
なんと真相解明に向けて東京高裁が具体的に動き出した7月3日、上川氏は死刑執行命令にサインしているのです。
<上川は、記者から再審請求中での執行を問われ、一瞬、戸惑いつつ、こう答えている。
「個々の死刑執行の判断に関わることなので、お答えについては差し控えます」
そして、こうつけ加えた。
「私としては、鏡を磨いて磨いて磨いて磨いて、という心構えで、慎重にも慎重な検討を重ねたうえで死刑執行命令を発しました。判断するうえでは、さまざまな時代の中のことも、そして、これからのことも、ともに考えながら、慎重のうえに慎重に、重ねて申し上げますが、鏡を磨いて、磨いて、磨いて、磨ききる気持ちで、判断いたしました」
執行の前夜、上川法相は、安倍晋三首相も参加する「赤坂自民亭」なる議員仲間の酒席に参加し、大いに楽しんでいたことが、のちに明らかになった。>
 
さらに、執行当日も異例の突然さだったことが、大阪拘置所の隣の房で当日の一部始終を見ていた別の死刑囚の手記からわかります。
<午前7時30分に起床のチャイムが鳴り響いた直後、帽子に金線が入った幹部職員と、ほか数名の看守が足速に私の居室前を通り過ぎた。…井上君も私と同様、洗顔や歯磨も済ませていなかったと思う。私はこれまで何人もの確定死刑囚とお別れしてきたが、顔を洗う時間や歯を磨く時間も与えられない事があるのだろうかと心の中で疑問が生じ、それを思うと当局に強い怒りを感じた。…>
そして死亡診断書からわかる
刑死 8時4分
 
心に動揺があるとき、人はそれを気取られないように、饒舌になると言います。「慎重に」と「鏡を磨いて」を繰り返す空虚な言葉に、上川さんの本質を見る思いです。
絶対に日本の将来を任せられない人、そんな印象を持ちました。

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