👽侵略は戦争の代わりになるか～米政府極秘報告③

約６０年前の米国防総省委託研究で「政府永続のために戦争は必要」「戦争に代わる適切な手段は、全世界を脅かす新たな敵でなければならない」と、全体主義実現の具体的な計画を立てていたアイアンマウンテン報告が本物であることを、G・エドワード・グリフィン著「ザ・クリーチャー・フロム・ジキル・アイランド（ジキル島で生まれた怪物）」が明らかにしました。
 

左は原書、右は翻訳書

図書館によっては新品並みに読まれていません

今回は、戦争の代替品にと検討されたが、環境問題ほどには重視されなかったものを取り上げます。
まずは、宇宙人の襲来です。
アメリカではオーソン・ウェルズの火星人襲来の架空放送が１９３８年。１９４７年に実業家が空飛ぶ円盤と名付けたとか。マウンテン報告は１９６１年に構想が始まり、１９６６年に報告書が出ました。
日本の未確認飛行物体UFOブームは１９７０年代後半にあり、当ブログ主のシン・説も矢追純一さんの番組をよく見た記憶があります。
 
「ザ・クリーチャー・フロム・ジキル・アイランド」の＜信頼できる世界的脅威を見つける＞から、紹介します。
 

信頼できる世界的脅威を見つける

 
戦時中、ほとんどの国民は生活の質の低さを、文句を言わずに受け入れ、指導者に対する激しい忠誠を保つ。戦争に代わる適切な手段が見つかるなら、それもまた同じ反応を引き起こすに違いない。したがって、全世界を脅かす新たな敵を見つけなければならず、その敵に打ち負かされる可能性は戦争そのものと同じくらい恐ろしいものでなければならない。報告書はその点を強調して次のように述べている。
 
＜忠誠には大義が必要であり、大義には敵が必要だ。これだけは明らかだが、重要な点は、原因を定義する敵が本当に手ごわいように見える必要があるということだ。大まかに言えば、社会に対する個人の忠誠心を保証するのに十分な「敵」の推定される力は、社会の規模と複雑さに比例する必要がある。もちろん今日、その力は前例のない大きさと恐ろしいものに違いない。＞
 
世界的な敵として機能する適切な脅威を見つける際に最初に考慮したのは、それが現実である必要はないということだ。もちろん、本物の方が優れているが、大衆が、それが本物であると確信できれば、発明されたものでも同様に機能する。大衆は、あるフィクションを他のフィクションよりも容易に信じる。真実よりも信頼性の方が重要だろう。
貧困は潜在的な世界的な敵として検討されたが、それほど恐れる必要はないとして拒否された。世界の大部分はすでに貧困に陥っていた。貧困を経験したことのない人だけが、それを世界的な脅威とみなすだろう。残りの人にとって、それは単なる日常生活の事実だった。
宇宙からの異星人の侵略が真剣に検討されていた。
報告書は、これらの方針に沿った実験がすでに試みられている可能性があると述べた。しかし、この脅迫は「信頼できる」ものではなかったため、国民の反応は十分に予測できなかった。報告書には次のようなことが書かれていた。
 
＜実際、信頼性は、戦争に代わる政治的手段を開発するという問題の中心にある。ここが、戦争の経済的代替手段として非常に適した宇宙開発競争の提案が、多くの点で不十分であるところである。最も野心的かつ非現実的な宇宙プロジェクトは、それ自体で信じられるような外部の脅威を生み出すことはできない。このような脅威は、他の惑星や宇宙からの「生き物」による破壊の危険に対して人類を団結させることによって、「平和への最後の最善の希望」をもたらすだろうと盛んに議論されてきた。私たちの世界の外からの侵略の脅威の信頼性をテストするための実験が提案されてきた。近年の説明が難しい「空飛ぶ円盤」事件のいくつかは、実際にはこの種の初期の実験であった可能性がある。もしそうであるとしても、その結果はほとんど成功と呼べる代物ではない。＞
 
この報告書は 1966 年に発表されたが、その当時、エイリアンの存在という考えは一般の人にとっては非常識なものだった。しかし、その後の数年間で、その認識は変わった。現在、知的生命体が地球外に存在し、私たちの文明を監視している可能性があると考える人口が増えている。その信念が正しいか間違っているかは、ここでは問題ではない。重要なのは、ネットワークテレビで放映されるエイリアンとの劇的な遭遇は、たとえそれが完全にハイテクコンピュータグラフィックスや空のレーザーショーによって捏造されたものであったとしても、侵略から地球を守るとされる世界政府にすべての国を押し込むために利用される可能性があるということである。一方、エイリアンが平和的な意図を持っていると認識された場合、別のシナリオは、ある種の銀河連邦で単一の声で話す統一された人類種を代表する世界政府を設立することになるだろう。どちらのシナリオも、1966 年よりも今日の方が、はるかに信頼性が高いだろう。