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お金は少ないよりも多いほうがよいという誤った理論 7章要約

こんにちは、シン・説です。
「インフレが政府の財源で国民から黙って取れる徴税システムなんだ」「だから増税は二重三重取りの犯罪行為なんだ」というシン・説は分かりづらいですよね。
そこで、日本では江戸時代に行われた貨幣鋳造を例に説明します。
市場(しじょう)に流通している貨幣を回収してそれらを鋳潰し、金や銀の含有率や形を改訂した新たな貨幣を鋳造し、それらを改めて市場に流通させることが貨幣鋳造です。金の含有量を3分の2に減らせば、流通量は1、5倍に増やせる。0.5倍分は改鋳益となり、幕府の財源となる。もちろん、逆に品位を上げる、つまり含有量を増やす改鋳もあります。
回収し、改鋳するのは手間ですが、中央銀行を使った人為的インフレには、これらの手間が必要ありません。しかも、今はキャッシュレスマネーなど借金マネーがキャッシュ(キャッシュも借金マネーですが)を凌駕していますから、国民は借金マネーの全体量は想像もつきません(※自分のマネー供給量を増やすことにしか関心がありません)が、一枚一枚の紙幣はまったく同じ(※小切手や手形、あらゆる借用証書でよいのですが、国民を騙すためには定額を示す紙幣が大事です)で、貨幣の価値が下がったことには気付きません。
例えば、ウクライナ復興支援で使われるであろう踏み倒し確実の借金マネーのように市場に出回る必要もありません。日本円の借金マネーが増えれば増えるほど、“改鋳益”は江戸時代と同様に政府が財源として得られるわけです。
かくして、令和四年の改鋳、令和五年の改鋳、令和六年の改鋳が粛々と行われます。
 
さて、前置きが長くなりましたが、本題です。
★インフレは最も不公平で政治家と銀行家にのみ都合のよい徴税システムであることを告発したG・エドワード・グリフィン著の「ザ・クリーチャー・フロム・ジキルアイランド(ジキル島で生まれた怪物)」の要約(※要約は和訳本「マネーが生みだす怪物」では省略されています)をじっくり紹介しています。
インフレの本質は、物価高というよりお金の価値が下がることです。インフレ徴税は国民に気付かれず、隠れる場所もありませんから、政治家にとって最高の徴税システムです。
では7章の要約です。
 
7章 金に謎はない
お金の性質に関する知識は、連邦準備制度を理解するために不可欠だ。一般的に信じられていることとは反対に、この話題は神秘的でも複雑でもない。これを突き止めるために、お金は交換の媒体として受け入れられるものと定義する。これに基づいて、お金には次の4種類があることがわかる。
商品領収書法定通貨、および部分準備である。
貴金属は歴史に登場した最初の商品貨幣であり、それ以来、実際の経験によって、正直な通貨システムの唯一の信頼できる基盤であることが証明されてきた。お金の基本である金は、地金、コイン、完全に裏打ちされた紙の領収書など、いくつかの形をとることができる。人類は歴史を通して、お金の量が重要だという誤った理論に、具体的には、お金は少ないよりも多いほうがよいという誤った理論に悩まされてきた。
これは、コインの切り抜き、コインの内容の劣化、および、後世紀には、それらを裏付ける金よりも多くの紙幣レシートの発行などの慣行を通じて、マネーサプライの絶え間ない操作と拡大につながった。
いずれの場合も、これらの慣行は経済的および政治的災害につながってきた。人間が貨幣供給を操作することを控え、金供給の自由市場生産によって決定されることを許したまれな例では、その結果は繁栄と平穏だった。

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