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レプリコンも「緊急措置で」独米の新型コロナウイルスワクチン第一相試験に使用 出来過ぎたシナリオ編⑤

<「私は驚いた」。
「ミカエル、正直言ってそれは予想外だ」、私は彼に言った。「かなりリスクの高い、難しい賭けになるぞ」>
 

mRNA技術によるワクチン開発に驚いたファイザーCEOのアルバート・ブーラ氏


著書『ムーンショット ファイザー不可能を可能にする9か月間の闘いの内幕』(2022年光文社)の中で、ファイザーCEOのアルバート・ブーラは正直に語っています。
ワクチン担当のキャスリン・ジャンセンが、パートナー会社ビオンテックが進めるmRNAによるワクチン開発を決断。ミカエル・ドルステン最高科学責任者がその決断を伝えてきたことにブーラCEOは複雑な心中を吐露したのです。
 

ムーンショットとは「非常に難しいが、実現すれば多大な効果を期待できる大きな研究や計画」のこと。確かにビオンテック・ファイザーには多大な効果があったが、庶民には?


<mRNA技術は将来有望だが、実証されていない。>
 
ファイザーCEOが部下の提案にびっくり仰天したmRNA技術ですが、採用する企業側にはいいことづくめです。迅速につくることができ、変異型ウイルスにも迅速な対応が可能です。実際、コロナ禍で開発スピードと追加接種が最重視されていました。
しかし、傍から見れば拙速でも、彼らには十分なスピードではなかったようです。そこで、自己増殖型のレプリコンワクチンです。
体内で勝手に増えていくため接種量が少なくて済み、企業側には課題であった運搬問題が相当解消します。mRNAワクチンは進化すれば進化するほど、企業側にメリットばかりを提供する流れとなっています。
 
こうした医薬の効果が実証されたものであれば、丸く収まりますが、ブログ主は実際の最終臨床試験において、効果に対する重大なデータ操作疑惑、接種後公式な報告から明らかな重大副作用の数々を提示してきました。何回も接種した方には今更認めがたいことであることも理解しますが、せめてはるかに強力なレプリコンワクチンを接種する前には立ち止まって読んでいただきたいと思います。

 
コロナ後の延長線ではなく、コロナ渦が来るずっと前から、がんワクチン専門会社であったビオンテックは自己増殖mRNA(saRNA)を含む四つのワクチンプラットフォームを開発していました。
新型コロナウイルスワクチンに参入するとなったときに、モデルナやキュアバックなどライバル企業からまるまる1周遅れでしたが、逆転できたのはこのプラットフォームと、ワクチン候補を同時に試験し、同時に評価する時短作戦を実行できたからです。
 
4種類のmRNAとは次のものです。トランス増殖というレプリコンのさらに進化型まであったのです。
 
①ウリジン含有mRNA(uRNA) uRNAのアジュバントだけでも免疫反応は強力、筋肉注射用脂質のアジュバントと組み合わさるとあまりにも強力になりすぎてインフルエンザ症状を引き起こしかねない。
 
②修飾ヌクレオチドmRNA(modRNA) カタリン・カリコ(ビオンテック副社長)とドリュー・ワイスマンの特許技術も使用許諾を受けて使われている。ウリジン修飾のためにアジュバントの力が落ちるため、筋肉注射用脂質のアジュバントを必要とした。治験開始の直前でB2・8より抗体反応が強いB2・9にウールの独断で差し替えられた。B2・9は毒性試験を経ていない。
 
③自己増殖mRNA(saRNA) レプリコンワクチンと呼ばれる自己増殖型は量が少なくて済み、運搬の負担を格段に小さくする。5キログラム製造すれば10億回分に使用できる。
 
④トランス増殖mRNA(taRNA) ③④は自前の複製能力でスパイクタンパク質の生産量を劇的に増やして生産時間も長くする新しいプラットフォーム。マウスではあったが人間で試験されたことは一度もなかった。
 
ややこしいのですが、新型コロナウイルスワクチンの第一相試験で候補になった4種類は①ウリジン含有mRNA(uRNA)②修飾ヌクレオチドmRNA(modRNA)のスパイクタンパク質全体をコードするもの③修飾ヌクレオチドmRNA(modRNA)のスパイクタンパク質の受容体結合ドメインだけをコードするもの④自己増殖mRNA(saRNA)
 
自社保有mRNAプラットフォームの四つのうち三つを利用でき、2023年にノーベル生理学・医学賞を受賞するカリコとワイスマン(しかもゲイツの盟友アンソニー・ファウチの下で働いていた!)を取り込んでいたのがドイツの無名企業というのが驚きなのです。
 
『ムーンショット』よりの引用です。
<2020年5月、これら四つのワクチン候補に対する第一相試験がアメリカで開始された。従来であれば候補を一つずつ順番に試験するのだが、私たちはこれを並行して行うことにした。つまり、四つの異なるワクチン候補を、それぞれ三つの異なる投与量で一気に試験するのだ。こうして通常であれば1年はかかるこのプロセスを、私たちは1か月で完了した。>
単純計算で4種のワクチン候補×3種の投与量=12種のワクチン候補試験というわけです。
 
『mRNAワクチンの衝撃 コロナ制圧と医療の未来』よりの引用です。
<ビオンテックはその後、ファイザーがアメリカで同様のプロセスを実行できるように、この治験計画をファイザーに伝えた>とあるように、すでにレプリコンワクチンは3種の投与量のパターンで少し先行した4月下旬にドイツ人に投与されています。本書からまとめると、ドイツの受託業者のフェイスブック募集に応じた200人の中から1パターンが12人1組として合計数十人にレプリコンが投与されていたと見られます。アメリカも同規模でしょう。
 
<許容されるワクチンの種類…最大で4種…最後の一枠を獲得したのは、全プラットフォームのなかでもっとも歴史が浅いsaRNA(自己増殖mRNA)をベースにした、スパイクタンパク質全体をコードするワクチンだった。…このsaRNAは、そのような精緻化を経験していない。したがって、臨床前の抗体試験さえ難なくクリアすることはできなかった。…低用量を投与するだけでいい。そのためウールが、緊急措置として試してみることにしたのだ。…第二世代のワクチンの基盤になるかもしれないという思惑もあった。>
 
不都合な情報が少し開示されていますが、本書全体を通して彼らには、強い免疫反応を起こすことのみに関心があるように見えます。
<modRNAワクチン100マクログラムを投与された被験者の報告は、あまりいいものではなかった。この被験者たちには、寒気や発熱など、インフルエンザに似た症状が現れていた。なかには、ベッドから起き上がれなかった者もいる。>
<100マイクログラム投与試験の中止はすでに決まっていた。…「10マイクログラム…で十分かもしれないことがわかった」とウールは言う。>
 
被験者たちがその後健康を回復したのかは定かではありませんが、企業の開示情報が「あまりいいものではなかった」と言うのは、かなり悪かったと捉えられるかもしれません。低用量の被験者についても第三者が見れば、どうなのでしょうか。
緊急事態を錦の御旗にして、強い反応だけに前のめりの製薬会社やひも付き医師だけにデータ解析をお任せしていていい話でしょうか。重要なデータを理由も言わずに削除するような企業を信頼できるはずがありません。
 
※『mRNAワクチンの衝撃』『ムーショット』からの引用部分<>は漢数字を洋数字に変えています。文中の太字もブログ主の主観です。ご了承ください。


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