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【アニメ一考】葬送のフリーレン#2~敬意・憧れ/自己実現~


前回に引き続き、アニメ「葬送のフリーレン」を観て考えたことを書いてみる。
前回の記事「葬送のフリーレン#1」はこちら↓


この記事はネタバレを含みます。
気にされる方はご注意ください。



葬送のフリーレン#2

敬意と憧れと、それから…

「勇者ヒンメルならそうしました。」
フリーレンから、なぜ孤児となったフェルンを救ったかを問われたハイターの答え。

きっと旅中のヒンメルの行動は、自身の信条に基づいて一貫していて。
その行動を見ていたパーティーのメンバーは、いつしかそんなヒンメルに、どこか敬意や憧れのようなものを抱いていたのではないか。
そして、亡きヒンメルの遺志を継いで行動をすることで、ヒンメルがそこに生きていた意味を再認識するとともに、自らも自己実現のためにその憧れに近付こうとしていたのでないか。
それが、フリーレンの台詞
「きっと自分のためだ。」
にも表されているように感じた。

敬意や憧れという感情は非常に大切な感情だと思う。
振り返ってみると私が仲良くなっている友達は、自分が憧れ、敬意を抱くような人間が多い。
「あの人のあの考え方が素敵だな。」
「あの人のそういう行動がすごいな。」
近くで見ていたり、一緒に時を過ごしたりすることで敬意や憧れから
「あの人のように私もこう考えよう。行動しよう。」
という自分の考えや行動の変容に繋がっている。

敬意や憧れが、より良い自分への変化を促すきっかけとなっていると感じる。

時間の使い方

「フリーレン様は多くの人を救える力をもった魔法使いです。ありもしないもののために時間を使うだなんて、あってはならないことです。」
いつまでも蒼月草を探し続けるフリーレンに不満なフェルンの台詞。

人から見たらもっと有効な時間の使い方があるように思われる。
くだらない、無駄な時間の使い方だと感じられることがあるかもしれない。
しかし、本人にとってはその時間の使い方が自身の信条や目的など『大切なもの』のために必要だと感じて行っていることもある。
本人がその行動の意味を認識していれば、いくら回り道しても、いくら周りからくだらないと思われることでも、それは本人の正解になり得るのではないか。

大切なものとは…

フェルンから魔法を集める理由を問われたフリーレンが
「前はもっと無気力にダラダラと生きていた」
「私の集めた魔法ををほめてくれた馬鹿がいた」
と答え、フェルンが
「くだらない理由ですね」
と返した。

その会話の時にはフェルンには本心からくだらない理由だと感じていたのだと思う。

しかし、その後のやり取りで、フェルンは気付く。
フェ「なんでそんなに魔法に一生懸命に」
フリ「わかるはずだよ、フェルンだって魔法使いになることをあきらめなかった。」

フェ「別に魔法じゃなくたって」
フリ「でも魔法を選んだ」
そこで回想されたのは、フェルンが自分の魔法で出した蝶々を喜んでくれたハイターの姿。

フェルンが魔法使いになることを決めた理由と、フリーレンが魔法を集め続ける理由。
それはどちらも
『大切な誰か』のため。
「大切な誰かを思い、大切な誰かのためになる行動をとる」

自己実現は基本的には自分のために行うものだと考えられる。
でもそれだけではないのかもしれない。
きっと自己実現も誰かのために。

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