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119、ワクチン接種後「抗イディオタイプ抗体」が人体を苦しめるかも?

「The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE」が2022年1月27日、「SARS-CoV-2感染およびワクチン接種における抗イディオタイプ抗体の役割」と題する記事を紹介しているのだが、私はこの内容に少なからず驚いてしまった。

今回は記事のタイトルにもある「抗イディオタイプ抗体」が主役だ。

何だか聞きなれない抗体だよね? 私も初めて知った次第だ。

以下、「抗イディオタイプ抗体」の説明をしていきたいと思うが、まずその前に「抗体」に関して簡単に説明しておこう。

体内に細菌やウイルスといった「抗原」が入り込むと、B細胞が形質細胞へと変化して「抗体」を産生する(これをAb1抗体と言う)。

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抗体というのは上の図のようにYの字型をした分子で、オレンジ色の部分を「可変領域」という。

「抗イディオタイプ抗体」とは、抗原の侵入によって産生された抗体(Ab1抗体)の可変領域を認識して新たに産生される抗体(Ab2抗体)のことなのだ。

通常の抗体は抗原の侵入によって産生されると言えるのだが、「抗イディオタイプ抗体」は、抗原の侵入によって産生された抗体に対して反応する抗体だと言えるだろう。……何だかわかりづらいが、こういう不思議な抗体も存在しているんだね。


※「抗イディオタイプ抗体」について、もう少し詳しく知りたい方はこちら「バイオラッドtechnical Q&A」にて確認されたし


さて、以上の説明で今回の主役である「抗イディオタイプ抗体」がどのような抗体か理解できたかと思うが、この「抗イディオタイプ抗体」が人体にとってマイナスに作用している可能性があるのだ。

「SARS-CoV-2感染およびワクチン接種における抗イディオタイプ抗体の役割」にはこう書かれている。

Ab1に特異的な抗イディオタイプ(または「Ab2」)抗体の中には、パラトープ(抗原結合ドメイン)が、元の抗原そのものと構造的に似ているものがある。
Ab2抗体は、最初の抗原が標的としていたのと同じ受容体に結合する可能性もある(図1)。正常な細胞上の元の受容体に結合するAb2抗体は、特に長期的に、つまり元の抗原自体が消滅した後に、細胞に重大な影響を与え、病理学的変化をもたらす可能性がある。

――いいですか? 「抗イディオタイプ抗体(Ab2抗体)」は、元の抗原と構造的に似ている場合があり、その抗原が標的とする受容体(デルタ株までの新型コロナウイルスの場合は「ACE2受容体」)に結合する可能性があるのだが、その場合、抗原が消え去っても身体に延々と影響を与え続ける可能性があるというのだ。

これは、なかなか驚くべき指摘ではないだろうか? 抗原が消え去っても「抗イディオタイプ抗体」が人体に影響を与え続ける可能性があるのだからね(※もちろん、その影響ってマイナスのものばかりだとは記事でも書かれていないが、マイナスの影響が起こる可能性も十分考えられるだろう)。

ワクチン接種から60日経ってもリンパ節からm-RNAが検出されたことを示した論文がランセットに発表されているが、もし体内にm-RNAがずっと残り続けてしまうのならば、体内でスパイクタンパク質が延々と産生され続け、それによって変異株には全く作用しない無駄な抗体(Ab1)も産生され続け、さらに元の抗原とそっくりな「抗イディオタイプ抗体(Ab2抗体)」も産生され続けてしまうこととなり、もう身体の中がグチャグチャの状態になってしまうだろう。

また、「SARS-CoV-2感染およびワクチン接種における抗イディオタイプ抗体の役割」にはこうも書かれている。

SARS-CoV-2ワクチンに対する抗体反応の前臨床および臨床評価は、Ab1反応とウイルス中和効果にのみ焦点を当てている。

マスコミや専門家、そして政府の連中はAb1抗体による発症予防効果や中和作用についてばかりクローズアップしてワクチンの効果を語りがちだが、そもそも「抗イディオタイプ抗体」についても目を向ける必要がある。

――ていうか、ただ「抗体」が増えれば万歳みたいなノリは間違っていると思っていたんだよな。だって同じ抗体でも、例えば新型コロナウイルスに感染することで「感染増強抗体」が産生されると明らかになっているし(感染増強抗体によって中和抗体の作用が減弱する)、そもそも「抗体依存性感染増強(ADE)」と言って中途半端な抗体が出来てしまうことで、却ってウイルスに感染しやすくなったり症状が悪化したりしてしまう現象があるんだからね。

「SARS-CoV-2感染およびワクチン接種における抗イディオタイプ抗体の役割」では、最後にこのように言っている。

ウイルスとワクチンに対するすべての抗体とT細胞の反応を、経時的なAb2反応も含めて完全に解析することが賢明である。

――全くもってその通りだろう。

「母ちゃん、ワクチン打ったら中和抗体がたくさん出来たんだよぉ!」

こんな風に単純に喜んでいたらダメなのだ。抗体だって色々あるのだから、もっと広い視野に立って抗体についても考えるべきなのだ。

――ていうか、ファイザーやモデルナ等の製薬会社の連中は、マイナスに作用する抗体の存在を把握しているから、敢えて中和抗体ばかりアピールしているのだと思っているけどね。







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