ペグボードについて
今回は、上肢機能をトレーニングするペグボードについて書いていきたい。
リハビリをおこなっている病院ではよく置いてあり、また、保育園やデイケア等にも置いてあるよく知られた道具である。
自分のそうなのだが、どのような効果があるのかぼんやりしか分からず使っていた。
今回、この記事を読むことでペグボードの効果について理解ができる。
*大きさの分類や使用目的等は諸説あるので参考程度であることをご了承ください。
ペグボードとは
ペグボードとは、色や形や大きさが異なる木釘(以下ペグ)を穴のあいた板に差し込んでいく用具のことである。
手で握る(またはつまむ)ペグの形状は円柱形が代表的だが、直方体や細いピン状になったもの等、さまざまな種類がある。
使用目的
上肢運動
ペグボードの使用目的は幅広いが、ペグを手で持って板の穴に入れる・取り出す動作が求められるので上肢機能の訓練に使用されることが一般的である。
目と手の協調運動
一見単純そうに思える「物を持って穴に入れる」という動きの中にも、穴の位置を認識し、そこに向かって手を伸ばす「目と手の協調運動」の要素が含まれる。
視空間認知機能・集中力
色分けを行うことで視空間認知機能の訓練になりますし、細かなペグを使って作業を続けることで集中力の訓練としても活用できます。
対象者(*複数の訓練目的の対象者もいる。)
脳卒中や脳性まひなど
手で握る、指でつまむ、物品を運ぶなど、上肢機能の訓練を目的とする場合
半側空間無視や認知症
視空間認知、注意機能の訓練を目的とする場合
発達段階で巧緻動作が苦手な子ども
手指や認知機能の発達を促す訓練を目的とする場合
ペグボードの大きさ別での使用目的
基本的にはペグが小さくなるほど巧緻動作や協調運動の難易度も増え、必要な集中力の必要性も上がってくる。
大きいペグは、直径3〜4cm程度までのもので、3指つまみ・側腹つまみの訓練ができる。
中くらいのペグは直径2〜3cm程度までのもので、指腹つまみの訓練ができ、かつ指先でペグを反転させることで物品操作の能力を高める訓練が可能である。
小さいペグは直径5mm程度までのもので、指腹つまみ・指先つまみの訓練ができ、かつ指先つまみの訓練を行うことで集中力を鍛えることが可能である。
なお、一つのペグボードに3種類の太さのペグが含まれるものもあり、ペグや穴の大きさを認識が必要な点では難易度が上がるが、色々なつまみのパターンを訓練できるというメリットがある。
つまみの動作の種類
上記の章でつまみの種類が出てきたので簡単に書いていく。大別すると4種類ある。
3点つまみ
親指と人差し指と中指の3本の指で支える。大人の一般的な箸を持つ時の動作である。
指尖つまみ
指の尖部でつまむ。細かいものを床等に落とした時の動作である。
指腹つまみ
指の腹部でつまむ。一般的な平たいものをつまんだ時の動作である。
側方つまみまたは鍵つまみ・横つまみ
指の腹部でつまみさらにそれを横にする。一般的なドアの鍵を開けたり閉めたりする場合に用いる。
ペグボードの使い方の工夫
「模様」や「図案」をペグで再現する。
ペグボードの図案集も販売されているが、オリジナルで作成した模様を写真に撮ることも工夫の一つである。
使用時間や成果時間を測定し、利用者さんへフィードバックすることで、数値的に成果が出ていることを確認させモチベーションの維持に繋げる。
以上、ペグボードについて書かせていただいた。
ペグボードは100円均一のものを使用して、手作りもできるようなので興味を持って作っていただければ嬉しいです。
記事を読んでいただきありがとうございました。
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