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衣類を着る・脱ぐ発達過程

今回は衣類を着る・脱ぐ発達過程について書いていきたい。

衣類を着る・脱ぐ発達過程については基本的習慣の一つであり、子どもの発達過程にとても重要である。

参考としては、下記の論文を参考にした。

「研究紀要 第37号 特集:乳幼児期の探究II 元 文教大学女子短期大学部 教授 玉井 美知子 先生の 育ち合い─基本的生活習慣の自立をめざして─」

この論文には.食事、着脱衣、清潔、排泄、睡眠の意義と習慣のつけ方がイラスト付きで分かりやすく書かれている。

ので、こちらを見ていただくと理解は可能かと考えるが、自分なりにかみ砕いて分かりやすいように書いていこうと思う。

(なお、自分の記事に関しては清潔、排泄、着脱衣に絞って書いていく予定である。清潔、排泄の2つに関してはまた機会があれば扱っていきたい。)

*発達段階に関する考え方は色々あるので参考程度に読んでいただけば嬉しいです。

衣類の離脱の発達


1歳までには、昼夜の区別ができるようになる。そのため、普段着からパジャマに着替えさせるようにする。


1歳前後になると靴下を自分で脱ごうとしたり、両手を挙げることにより服が脱がせやすくなる。


1歳6か月前後になると一人でファスナーを上げられたり、外せたりできる。また、指無し手袋、靴下、帽子を脱ぐことができる。 


2歳前後になるとスナップが止められ、服を着るとき手伝ってもらうとできるようになる。


2歳6か月前後になると 靴(紐なし)を一人で履くことができ、服を脱ぐのを一人でしたがる。 


3歳前後になるとボタンを外せるようになり、着ているものが脱げるようになる。しかし、着るときに前と後ろの区別がつかない。


4歳前後になると順番通りに着る洋服を裏を向けてセッティングしておくと着ることができ、前のボタンを一人ではめられる。


着る・脱ぐを習得するための支援方法


小学校入学までには着たり脱いだりが一人で行えるようにして、その後の整理整頓が可能になることが理想的である。

しかし、1歳児前後は、衣服の種類によって袖に腕を通す、首周りに頭を通す、ボタンをはめたりすることは難しいものもある。そのせいで、中には癇癪(かんしゃく)を起こす子どもいる。

親や保育者はそのような幼児の気持ちを受け入れ、支えていく。

そのような関わりの中で一人で出来るようになっていく。

決して自然に身に付きはしない。

前開け式の前方部分がボタンやスナップの場合もあるので、その発達時期が近づいてきたり、子ども自身や意欲的にやり始めたら大きなボタンやスナップで練習させ、「できるかも。」と感じさせることが大切である。

靴の場合、印を付けて左右を意識させることも工夫の一つとして挙げられる。

子どもに繰り返し体験させることで、『清潔な衣服・下着・持ち物などを清潔にすることが快いことである』と感じ、習慣として身につけていくようにする。

家庭では、整頓が出来るような環境を整えていくことが大切である。



衣服を着る・脱ぐの関わり方(保護者側から)


産まれた初期

乳児の最初の下着はおむつである。

現在、布と紙で作られたもの等があり、紙用は吸収性が高く、漏れもほとんどない。

その反面、「交換しなくても大丈夫。」と考えてしまいがちなので、適切に交換していくことが大切である。。


1歳までには、昼夜の区別ができるようになる。そのため、普段着からパジャマに着替えさせるようにする。


1歳から2歳前後では、親や保育者に協力できるので脱いだり着たりの負担が少し減る。また、パンツをちょっとだけ履かせると後は一人でできるようになる。

2歳前後になると一人で着たり、脱いだりが可能になっていくのでこれ以降は省略する。



衣服を着る・脱ぐの重要性


服を着ることは寒さや暖かさの調整や身体の守るだけでなく自己表現にもつながっていく。

身なりを整え、その場その場でのふさわしい服を選択することや清潔への感覚が育つようにしなければならない。


衣類を着る方法(前開け式・かぶり式)

*衣類の着かた、脱ぎ方は色々あるのであくまで一例です。


前開け式の着かた

裏返しになっていないか。袖が出ているか確認を行い、腕を通す部分から手先を入れる。

両手を上に上げ、襟(えり)部分が頭の後ろ側にいくようにする。

下から上の順番ではめていくとかけ間違いが少ない。



かぶり式の着かた

後ろ側を上に平らに置き、袖口から片方ずつ手を入れ、手首を出す。次に頭を入れる。


衣類を脱ぐ方法 (前開け式・かぶり式)

*衣類の着かた、脱ぎ方は色々あるのであくまで一例です。


前開け式の脱ぎ方

ボタンやスナップを外し、可能な限り、前方部分を左右に開き、両肘付近まで下ろし、両腕を下へ垂らして袖からぬく。


かぶり式の脱ぎ方

脇までたくし上げ、手を交差させ上着を持ち直す。両手を上の方に持っていき頭を抜く。



ズボンの履き方

*方法は色々あるのであくまで一例です。


半ズボンは前側を上に置いて、腰を床に下ろして体操座りのような状態にする。

それから、ズボンの両足にそれぞれ足を入れ、膝小僧がズボンの袖口から出るまで引っ張りその後立ち上がる。


長ズボンは膝部分から足に沿って引き上げ、立ち上がるようにする。椅子に掛けて左右に片方ずつ入れて立ち上がる方法もある。



靴下の履き方

*方法は色々あるのであくまで一例です。


外巻きでかかとまで巻き込むように入れて、靴下先につま先を入れ調整する。



スナップの止め方(前開け式の場合)

*方法は色々あるのであくまで一例です。


片方で親指の腹でスナップを押さえながら、もう一方の親指と人差し指で反対側の部分をつまむ。

凸凹を合わせ、カチッ!というまで押し込む。



脱いだ服(上着・スカート)や靴下の整理の仕方

*方法は色々あるのであくまで一例です。


上着をハンガーにかける場合は形を整え、第一ボタンを止める。

上着を折りたたむ場合は前側を上に置き、袖(そで)や裾(すそ)を折りたたんでいく。


スカートは半分に折る


左右の靴下は同じように並べて、片方を折り入れる。



以上、衣類を着る・脱ぐ発達過程について書かせて頂いた。

衣服は肌触り等も重要な要素にあると思います。

肌触りの過敏な子どもは常にその肌触りが気持ち悪いと感じる子もいます。

衣類を着ることや脱ぐことも深く考えていくと難しいですね。

この記事を読んでいただきありがとうございました。


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