見出し画像

【言葉】混ぜたら強くなる。多様性が組織を強くする。〜出口治明さん語録

先日、立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんの退任に関する報道がありました。出口さんは大病から復帰して学長職に戻られていらしたそうですが、現在は療養中とのこと。以前にnoteでも書きましたが、大の出口ファンとしては「これまで本当にお疲れさまでした」とお伝えしたい気持ちでいっぱいです。


出口治明さんとは

大手保険会社上層部まで上り詰め、当時初のネット保険を立ち上げ、さらには大学の学長になるという異色の活躍。さらには大の読書好きであり、歴史の大家。出口さんが語ると歴史が「本物」というと語弊がありますが、歴史が「生きている」心地になってくるから不思議です。出口さんのフランクなお人柄と三重弁の朴訥さが相まって「人間なんてこんなもんじゃないですか」と、どんな偉人も結局は「人」。私たちとそんなに変わらないんですよと仰る語り口が大好きです。

そうした様々な顔を持つ出口さんには長年大手企業を勤めてきたビジネスマンとしての顔もお持ちで、出口さんらしい「ビジネス本」も多数出版されています。今回はそうした「出口語録」を集めたサイトの中から、勝手に厳選してご紹介していきたいと思います。


長所を伸ばし短所を直すことは、トレードオフの関係です。
短所を直すと、長所も削られて丸くなる。
つまり同様なメンバーばかりになり、環境変化に対応できなくなるのです。

出口治明

短所を直すと、長所も削られて丸くなる。

本当にその通りですよね。まさに「みんな違って、みんないい」という金子みすゞさんの言葉。各自の短所はメンバーがカバーすることで、それぞれが長所を伸ばすことに全力を出した方が、本人たちも楽しいですし、結果も出ますよね。とはいえ、個性の強い面々をまとめるのは至難の業。ここはリーダーの力が重要になります。著書の中でも以前の出口さんは「鬼軍曹」時代もあったそうですが、年齢を経て若手社員の方が勝る面が多々あることに気づき、現在のような飄々としたキャラクターになさったそうです。とはいえ、結局はメンバーたちは出口さんの掌の中でいい具合に活動していたんでしょうね。

全体を見るには、60点であれば目をつぶる覚悟が必要です。

出口治明

全体を見るには、60点であれば目をつぶる

私たちはついつい100点を目指しがちですが、60点であれば「御の字」というのも、考えてみれば当然ですよね。また、失敗するとすぐに「なぜ?」という「WHY攻撃」をしがちですが、これはNG。「どうしようか?」という「HOW質問」がいい、という話は有名ですよね。まずは60点を目指す。そこから改善・改良を重ねて70点、80点・・・とバージョンアップしていけばいい。時事ネタになりますが「マイナンバー騒動」などもまさにコレですね。もうちょっと広報の仕方をソフトにしたり、報道するマスメディアの方々へもそうしたレクチャーをすれば、ここまで大炎上することもなかったのかもしれませんね(あとロケット関連も)。

リーダーに必要な資質とは何か。
それは、強い思い、共感する力、そして統率力だ。

出口治明

リーダーに必要な資質とは何か。

これっていうのは簡単ですが、なかなか難しいですよね・・・。自分も初期は肩に力が入り過ぎて、空回り・・・ということがしばしばでした。しかし、徐々にさじ加減が掴めてきて、「できること」と「できないこと」の選別もできてきました。先ほどの長所・短所ですね。人間は「万能」ではないので、出来ない部分(=つまりは苦手な分野)に関しては、メンバーに手伝ってもらえてばいいんですよね。ポイントは「丸投げ」にしないこと。

ここは思いっきり茶目っ気を出して、自分の弱みを見せてしまうことで、「すまん、自分は下手くそだから、代わりにお願いできるかな?○○さんの方が上手なんで。」という感じ。さらに「その代わり、自分がこっちは手伝うよ」というように、手を差し伸べると、「丸投げ(させられた)感」は軽減しますよね。こういう手法をよく使っていました(笑)。

統率力・・・とか聞くと、キレッキレの織田信長のようなイメージですが、そんな鬼将軍ばかりじゃないですし、自分も全然柄ではないので(と思っていたのですが、かつてのメンバーに聞いたら「メッチャ怖かったですよ!」と言われてしまいました・・・(笑)。

混ぜたら強くなる。多様性が組織を強くするのです。

混ぜたら強くなる。多様性が組織を強くする

これは最初の言葉と重複しますが、やはりこれに尽きる。いろんなタイプ、いろんな考え方のメンバーが集まって、一つの方向に向かって進んでいく。もちろん途中ではいろいろバタバタもあるでしょうが、最後には一つにまとまり、プロジェクトに取り組んでいく・・・。こんなチームだったら最高ですよね。これまで十数年チームを率いた中でも「これがベスト!」というチームは数回あったかなかったか。メンバーが入れ替われば、まったく別物になりますからね。しかも、同じものを作ろうとしても、それってなかなか難しいんですよね・・・。

そういう意味で、今現在のメンバーでベストなチームを作る。これがリーダーのミッション。自身の業務をありつつ、メンバー全体を見渡し、気配りをしてチームを導いていく。本当に激務だし難儀ですが、達成した時の高揚感はこれまた格別。謎にドーパミンが出まくるというか若干中毒気味になりません?やっぱりチームっていいな、みたいな。しかし、翌年は同じものが作れるかというと、また別の話。このあたり、それこそ古今東西すべてのチームが体験してきたんでしょうね。それでもまた取り組んでいくわけですが。


ということで、出口さんの名言からいくつかを紹介して参りました。先日、出口さんの大病からの復活を記した著書も拝見しましたが、本当に不撓不屈という言葉がぴったりの方。「絶対に学校に戻って仕事をする」という目標のために、必死にリハビリに取り組む姿。決して我流に走ることなく、ご自分のお孫さんくらいの年齢のトレーナーの方々のアドバイスをしっかり守り、実行していく柔軟性。当たり前ですが、全く足元にも及ばないことは百も承知ですが、こういう風に年齢を重ねていきたいと思える、私が勝手にメンターだと思っている方の一人です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?