No.30 THEROMS 「天然氷篇」
http://www.thermos.jp/brand/cm/
[企業・商材について]
商品は、魔法瓶の水筒。競合となる企業は、象印やタイガーなど。機能性に関して、公式のデータは見当たらないが、各社の魔法瓶の保温性を実験した一般の方のブログを数件確認した。 それによると、THEROMSの製品が最も保温性が高いという結果が出た人もいる。
また、Amazonの「水筒」ランキングでは、上位のほとんどがTHEROMSの製品になっている。
[ターゲット]
オールターゲット。その中でも主なターゲットになるのが、スポーツをしている人や、アウトドア好き、肉体労働の仕事をしている人、「オフィスにマイボトルを持って行きたい」と考えている人。
[企画の思考プロセス]
ターゲットが魔法瓶に求めるものは、機能性。つまり、保温性が高いかどうか。
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THEROMSは保温性には自信がある。ターゲットに「THEROMSは保温性が高い」という印象を与えたい。
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THEROMSの想定顧客を明示する。
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その顧客とは「厳しい気温の中で仕事をしている人」。そんな人が魔法瓶に求めるのは、何よりも機能性である。それはCMの受け手にも伝わりやすいはず。例えば、(競合他社が行なっているが)女性がオフィスで魔法瓶の水筒を使っているCMを展開すれば、「デザイン性にも注力している企業なのかな」という印象を与える。対して、前述のCM展開なら「機能性が高そう」という印象を与えることができる。
[CMの仕掛けを簡潔に言うと]
「厳しい気温の中で仕事をしている人」が満足できるような商品を作っていることを伝え、「機能性が高そう」という印象を与える。
[演出のポイント]
◾︎BGMの音の数が少ない。
「厳しい環境で仕事をしている」ということがリアルに伝わりやすくするために、雪が地面に当たる音や、工具の音、水の音など、現場の音を聴かせることが重要だと考える。BGMが静かなピアノで、音の数が少ないので、環境音が聴きやすくなっている。
[自分がクリエイターだったら]
◾︎文字の出る順番を変える。
元のCMでは「山梨県北杜市」の文字が出た後、「氷点下7℃・天然氷の切り出し」と出る。この順番を変えたい。最初に、「仕事:天然氷の切り出し」として出す。理由は、仕事に着目したCMであることを、受け手に早く理解してもらうため。かつ、特殊な仕事であり受け手の興味を引きやすいので、早めに受け手の心を惹きつけることを狙う。その後、舞台を伝えるために「山梨県北杜市」を出す。
そして、「氷点下7℃」を出す。今回のCMでは、厳しい環境であることを伝えたいので、「氷点下7℃」の文字は、他の情報と同時に出すのではなく、受け手にわかりやすくするために、一つで出したい。
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