No.6 タマホーム「1 more baby 応援団」

https://m.youtube.com/watch?v=5fBtKm7aHkY


[企業・商材について]

大手ハウスメーカー。2015年度の売上高は業界11位。理念として、「家づくり、家族づくり、幸せづくりのお手伝い」「より良いものを安く提供することにより社会に奉仕する」ということを掲げている。


[ターゲット]

20代〜40代の夫婦。戸建て住宅の購入を検討している人や、今後購入する可能性がある人。


[企画の思考プロセス]

家を購入する時にタマホームを選んでもらうために、タマホームに対して良い印象を持ってもらいたい。

タマホームの理念は、「家づくり、家族づくり、幸せづくりのお手伝い」。家族の幸せについて考えていることをアピールしたい。

ターゲットの多くが、子育てに悩んでいる。もしくは、不安を抱えている。実際、俗に「ふたりめの壁」といい、子どもをつくりたい気持ちはあるが、お金に関することや、夫の育児不参加などが課題となり、ふたりめの子どもをつくることに抵抗のある夫婦が増えている。

その課題に対して、「ふたりめ会議」をすることで、解決に近づけることを提案。「ふたりめ会議」とは、事前に子供が生まれてからのことを話し合っておく、夫婦の会議のこと。準備した上で子どもをつくることで、生まれた後の幸せな生活に繋がりやすいと考えられる。

夫婦がふたりめ会議をしている様子を描写。ターゲットが共感できるリアルな内容を語る。最終的に、夫婦がふたりめの子どもを産むことに前向きな気持ちになる。

ターゲットが抱える課題をしっかりと捉えて、解決策を提案することで、タマホームが家族の幸せについて真剣に考えていることを伝える。


[CMの仕掛けを簡潔に言うと]

多くの夫婦が抱える不安についての解決策を提案することで、タマホームが家族の幸せについて考えていることを伝え、好意度を上げる。


[演出のチェックポイント]

■背景が黒になっている。

CMとしては長時間の会話劇になっているため、会話の内容をしっかり聞いてもらうための工夫が必要。背景がポイントになっている。インテリアを置くのではなく黒にすることで、視覚で受け取る情報が少なくなる分、耳で聴く情報に集中しやすくなると考えられる。


■「おままごとする?」のセリフの直前でBGMが消える。

ラストの「おままごとする?」のセリフは、読後感に影響する重要なセリフだと考える。「妹とおままごとがしたい」と言っていた女の子が、未来の弟が登場することで「弟がいい」と言った。それにも関わらず、年齢的におままごとが似つかわしくない未来の弟に向かって「おままごとする?」と問う。受け手としては、「そんなにおままごとがしたかったのか」という気持ちになり、はるなちゃんに対して愛らしさを感じる。結果、CMに対して「見て良かった」という印象が残りやすい。愛らしさをさらに感じやすくさせるため、直前にBGMを消すことで、セリフ際立たせている。


[自分がクリエイターだったら]

■未来の弟が話しながら映る映像の内容を変える。

未来の弟が話しながら映る映像では、登場人物やターゲットに「兄弟がいる家族って、よさそう」と感じさせる必要がある。そのためのより強い映像が求められる。元のCMは、姉弟が階段を駆け上がったり、一緒にピアノを弾いていたり、柱の前で背比べしている映像だが、もっとターゲットが「見たい」と感じる映像にしたい。例えば、父と息子がキャッチボールをしていて、その横で母と娘がお弁当を食べている映像や、娘のピアノの発表会で、父と母と息子が観客席から拍手を送っている映像など。ターゲットが「家族で実現したい」と感じることを映像化したほうが良いと感じる。

商材である「家」の中の映像では無くなってしまうが、問題はないと考える。なぜなら、ここでターゲットに感じてもらいたいことは「兄弟がいる家族って、よさそう」ということだから。このCMではタマホームの家の特徴をアピールしているわけではないので、必ずしも家の中の映像である必要はない。それよりもターゲットに共感してもらうことを重要視するべきだと考える。

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