No.10 BOSS 贅沢微糖 「写真篇」

https://m.youtube.com/watch?v=nVyO2PqL4nE


[企業・商材について]

サントリーが販売している缶コーヒー。人気商品である「BOSS」の微糖。4種の高級豆を使用し、ドリップの際には雑味が出る最後の部分をあえて使用していない。贅沢な作り方であることから、「贅沢微糖」という名前で販売されている。


[ターゲット]

20代以上の男性。特に、働いている最中の人。


[企画の思考プロセス]

「BOSS 贅沢微糖」の競合商品は数多くある。他社の微糖の缶コーヒーはもちろん、微糖以外の味や、「BOSS」シリーズ全般も競合商品だと考えられる。

競合商品との大きな違いは、商品名。「贅沢」という名称を使用している缶コーヒーは他にない。ターゲットに商品名を印象付けるために、「贅沢」をキーワードにした企画を展開したい。

世の中の多くの人は、「贅沢すること」をよしとしていない。(CM放送当時は東日本大震災が発生した2011年であるため、贅沢することに否定的な考えを持つ人が特に多い。)とはいえ、内心で「贅沢したい」と思っている人も多い。

「贅沢すること」に対して、肯定的な気持ちになってもらうことを狙う。否定的な気持ちから肯定的な気持ちになってもらえれば、心の動きが大きい分、印象に残る。結果、商品を印象づけられる。

「”人のために頑張っている人”は、贅沢をしてもいい」というメッセージを発信し、共感を誘う。

人のために頑張っている人を描き、少しおバカな人物として表現すれば、可愛げがあるので、受け手に好感を持ってもらえる。加えて、クスッと笑えるような映像にし、印象に残りやすくする。


[CMの仕掛けを簡潔に言うと]

「贅沢すること」に肯定的な気持ちになってもらうことで、「贅沢微糖」という商品名を印象づける。


[演出のチェックポイント]

■大森南朋さんの動き方が恰好悪く表現されている。

サラリーマンを、受け手に好かれやすい人物として表現する必要がある。人が好意を抱きやすいのは、バリバリできそうな格好良い人物ではなく、人柄が良いおバカっぽい人物。大森さんがカメラを受け取る時の動きがカニ歩きであり、その後の動きもスマートではない。恰好悪い分、可愛らしさがある。受け手に好かれやすいキャラクターになっているので、CMそのものも好かれやすくなっている。


■終盤まで、引きのアングルで長めのカットになっている。

引きのアングルがワンカットで続いている。臨場感がない分、サラリーマンの滑稽さが際立つ映像になっている。かわいらしさが感じられ、受け手に好意を持たれやすくなっている。


[自分がクリエイターだったら]

■橋本愛さんが贅沢微糖を大森さんに渡す設定に変える。

元のCMだと、大森さんが自ら贅沢微糖を飲んでいる。謙虚なお人好しであるサラリーマンが、自ら贅沢微糖を飲んでいると、キャラクター設定にそぐわない。そのため、「橋本さんが同情のあまりに贅沢微糖を渡す」という設定に変えることで、受け手に好感を持ってもらいやすくする。


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