No.2 ブリンクベース 「キス眼鏡篇」

https://www.youtube.com/watch?v=ERmVM4EUGTw


[企業・商材について]

2008年、表参道にオープンしたアイウェア専門店。デザイン性の高いアイウェアを多く取り扱っている。表参道の店舗の他、2001年にオープンした「ブリンク」という系列店が南青山にあり、オンラインストアも運営している。

「キス眼鏡」という商品が2014年10月8日に発売された。フレームの前後両方にテンプル(柄)が着いているため、2人でかけることが可能。その場合、向かい合った両者の顔がキスができるほど近い。実用性は皆無。話題づくりのために発売されたと考えられる。また、第三の目を保護する眼鏡として「サードアイ・ギア」という商品も同時期に発売している。


[ターゲット]

眼鏡をかけている人、または、かけることを検討している人。その中でも、「オシャレな眼鏡をかけたい」と考えているタイプ。


[企画の思考プロセス]

「ブリンクベース」の特徴は、オシャレな街として人気な表参道にあり、デザイン性の高いアイウェアを取り扱っていること。ターゲットにとっての魅力ではあるが、似た特徴を持つ競合店は多い。

違う要素で集客に繋げたい。「ブリンクベース」は、世界に1種類の「キス眼鏡」を開発した。非常にユニークでインパクトのある商品。その特徴を活かし、受け手を驚かせることができれば、認知度を高められる。つまり、来店客数を増やすことができる。

眼鏡は基本的にずっとかけているもの。キス眼鏡をかけてずっとキスをしている映像にすればインパクトがある。さらに、人物をおじいさんとおばあさんにすればギャップがあって面白い。


[CMの仕掛けを簡潔に言うと]

キス眼鏡をかけてキスをし続けるおじいさんとおばあさんの映像を映すことでターゲットを驚かせ、「ブリンクベース」の認知度を上げる。


[演出のポイント]

■アップがない。

おじいさんおばあさんがキスをし続ける映像なので、仮に2人を近距離で映すと嫌悪感を抱かれる可能性がある。その点、ほとんどのカットでキスをしている2人とカメラの距離が離れている。唯一、芝生の坂を下る中で近いカットがあるが、後ろ姿になっている。リスクの高い企画の中で、嫌悪感を抱かれにくい演出が施されている。


■面白いSEが入っている。

道路の坂を下っているカットで、おばあさんの足が電柱に当たるタイミングで金属音が鳴る。明らかに不自然な音だからこそ、受け手に「何でそんな音が鳴るんだよ(笑)」と感じさせる面白い映像になっている。


[自分がクリエイターだったら]

■芝生のロケ地を恋人の聖地にする。

芝生の坂に転げ落ちるカットのロケ地を変更したい。具体的には、「長野県白馬五竜の幸せの鐘」の前。結婚式の写真を撮る夫婦とカメラマンがいて、その背後におじいさんとおばあさんを配置。「恋人の聖地」っぽい場所で、若いカップルと対比させることで面白さを際立たせたい。

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