No.1 住友生命保険相互会社「dear my family 2015篇」


[企業・商材について]

総合保障、医療保険、終身保険、定期保険などの商品を取り扱っている。ブランドメッセージは「あなたの未来を強くする」。「あなた」とは、顧客とその家族のことを示している。企業の理念として、「人が亡くなった時、悲しみを乗りこえて明るく前を向く家族の人生を将来にわたって守り、支え続ける存在でありたい」という想いを持っている。


[ターゲット]

家族を持つ父親。


[企画の思考プロセス]

生命保険の商品は、どこの企業でも似通っている。そのため、商品の優位性を表現するよりも、企業理念への共感を誘ったほうが、加入することに前向きになってもらいやすい。

住友生命は、「人が亡くなった時、悲しみを乗りこえて明るく前を向く家族の人生を将来にわたって守り、支え続ける存在でありたい」という想いを持っている。

住友生命に加入していた父親が亡くなった後、保険のお金があることで、普通の幸せな日々を家族が過ごせている様子を表現する。

具体的には、「子どもの結婚式当日の家の様子」を描く。「子どもの結婚式」は、多くの人に訪れるという意味では普通のイベントだが、ターゲットが見たいと感じている特別なシチュエーションでもあるため、ターゲットの興味を引きやすい。また、結婚式は多額の費用がかかるもの。保険のお金があれば、費用を負担できることも示唆できる。


[CMの仕掛けを簡潔に言うと]

家族を持つ父親に対して、住友生命の理念への共感を得るために、「父親が亡くなった後、住友生命の保険が家族を支え続けている様子」を表現する。


[演出のポイント]

■遺影を持つ時にBGMが鳴り始める。

遺影を持つタイミングで、受け手が「この家族は父親を亡くしている」と理解できる。つまり、最も受け手を惹きつけたい場面。ここでBGMが鳴り始めるので、より心が動きやすくなっている。


■コピーの表示の仕方に、押し付けがましさがない。

「死」が関係するので、受け手に悪い印象を与えないために、表現に繊細さが要求される。「家族の未来に、変わりない毎日があるために。」のコピーの表示の仕方が重要になる。リビングを背景に、白で「家族の未来に、」が表示された後、「変わりない毎日があるために。」が表示される。ゆっくりと表示され、読みにくい分、押し付けがましさがない。そのままだと印象に残らない危険があるが、その後に背景が黒に変わって文字が強調されるので、印象に残りやすくなっている。


[自分がクリエイターだったら]

■遺影から見たアングルで撮る。

最初のカットから母親の「緊張してる?」のセリフがあるカットまでを、父親の遺影から見たアングルで撮る。父親が亡くなった後の光景としてターゲットが、より実感しやすくなると考える。その後は、元のCMと同じアングルにする。

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