No.16 dビデオ 「家篇」

https://www.youtube.com/watch?v=ho-hjieMORo

[企業・商材について]

（No.14 「出会い篇」と同様。）

定額制の動画配信サービス。毎月、一定の料金を支払えば、映画やドラマなどのコンテンツが見放題になる。

CMの放送時期である2013年8月時点、業界トップクラスのシェアを獲得している。ユーザー数は2013年3月に400万人を突破。同業他社が30万人や16万人というユーザー数の中、圧倒的な数字といえる。（会員数を公表していない同業他社がいるので「会員数トップ」と言い切ることはできないが、おそらく会員数No.1と考えられる。）

その要因は、料金とコンテンツ数。料金は、月500円～600円と、業界最安値。それにも関わらず、コンテンツ数はトップクラス。2015年の情報にはなるが、コンテンツ数は約12万。同業のU-Nextも約12万だが、同サービスの料金は月1990円。ｄビデオが優勢といえる。

以上のことを踏まえると、数多くある動画配信サービスの中でｄビデオはNo.1といえる。

[ターゲット]

（No.14 「出会い篇」と同様。）

10代以上の男女。主なターゲットは、動画配信サービスに興味を持っているがまだ登録をしていない人。また、サービスを利用していないが潜在的に「魅力的な映画やドラマが見たい」と思っている人。つまり、「改めて考えてみると、利用してみるのもアリかも」というレベルの意識の人を狙うべきだと考える。

既に他社サービスを利用している人は狙うべきターゲットではない。なぜなら、よほどのことがない限り企業を変更することは考えにくいから。他社サービスに何らかのメリットを感じたから利用しているはず。そのメリットは、「自分の見たい番組がある」「動画配信以外の付加サービスに魅力を感じている」など、人によって様々なため、心理変容（「この商品を使いたい」と思ってもらうこと）を狙うのが難しい。また、サービスに全く興味がない人に登録してもらうことも困難だと考えられる。

[企画の思考プロセス]

No.14 「出会い篇」と同様に、ターゲットに「動画配信サービスを利用したい」と思ってもらいたい。
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興味を持ってもらうために、「動画配信サービスの良さ」を伝える。「動画配信サービスの良さ」、つまり「映画やドラマを見ることの良さ」の一つは、日常風景の見方を変えられること。それまで何とも思っていなかった風景や、ネガティブに捉えていた風景に対して、ポジティブな感情を芽生えさせることができる。
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その良さをCMで伝える。主人公が、ある日常風景を見てネガティブな気持ちになるが、映画と絡めることでポジティブな気持ちになる様子を表現する。
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具体的には、「友人を家に呼び、家族の恥ずかしい行動を見られて恥ずかしくなる」という風景を表現。「恥ずかしい」というネガティブな気持ちになるが、その家族のことを、映画と絡めて笑いのネタにする。結果、「面白い」と、ポジティブな気持ちになれる。
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そんな映像を見てもらうことで、受け手に「映画やドラマを見ると、日常風景の見方を変えられることもある」と感じてもらい、動画配信サービスに興味を持ってもらう。

[CMの仕掛けを簡潔に言うと]

「日常風景の見方を変えることがある」という、映画やドラマを見ることの良さを伝えて、ターゲットに「動画配信サービスを利用したい」と思ってもらう。

[自分が監督だったら]

■「下手じゃないけど、上手くもない」というセリフの発言者を変える。
元のCMは、石井さんが「下手じゃないけど」と言い、二人が口をそろえて「上手くもない」と言う。これを変更し、小松さんが「下手じゃないけど」と言った後、石井さんだけが「上手くもない」と言うように変えたい。

理由は、違和感を消すため。元のCMは少しわざとらしい感じがする。「似てるね。リチャード・ギアに。」と言ったのは小松さんにも関わらず、その理由を石井さんが先読みして「下手じゃないけど」と語りだすのは、不自然。小松さんが「下手じゃないけど」と言った後、その先を予測した石井さんが「上手くもない」と言うほうがリアリティがある。また、その後の笑いも少し大げさなので、二人で微笑みあうぐらいにおさえたい。

■ラストカットのコピーを変える。

No.14「出会い篇」と同様の理由で、「その一本が、二人を近づける。」のコピーを変更したい。次の「海篇」では、恋愛の話になり、「キス」というワードが出てくる。CMとしては珍しいワードであり、ターゲットの興味を引きやすい。それを活かすために、「そいつの無邪気さが、キスを奪う。」というコピーに変えたい。