No.5 ビターズ 「チューハイ事業部の謀反篇」

https://www.youtube.com/watch?v=VYB8t_jVJt0


[企業・商材について]

キリンビールが2014年に発売した缶チューハイ。(CMオンエアは発売時期。)特徴は、競合他社の缶チューハイよりも、味がほろにがいこと。同社はビールに定評のある企業であり、販売しているビール(「一番搾り」や「のどごし生」など)は、「ビール」カテゴリーの人気ランキングで上位に入っている。


[ターゲット]

20代以上の男女。お酒好き。その中でも、「苦みのあるお酒」に興味を持つタイプ。


[企画の思考プロセス]

「ビターズ」は新発売の缶チューハイ。特徴は、味がほろ苦いこと。つまり、ビールに近いといえる。

「苦みのあるお酒」に興味を持つタイプの人に強い印象を与えるために、「ビールに近いチューハイ」であることを伝える。

具体的には、ほろ苦いからこそ、まるでビールのように一杯目からいけることを訴求。さらに、ビールに定評のあるキリンビールが、自社のビールの売上を脅かすかもしれない商品を開発したことを伝え、ニュース感を出す。


[CMの仕掛けを簡潔に言うと]

「ビールに近いチューハイ」だと訴求することで、ターゲットに強い印象を与える。


[演出のポイント]

■舞台(販売元)がキリンビールであることを早く伝えている。

仮に「ビールが人気でない企業が、ビールの売上を脅かす商品を開発した」と聞いても、驚きは少ない。しかし、それが「ビールに定評のある企業」であれば、それを聞いて驚く人は一定数いると考えられる。そのため、今回のCMでは、舞台が「キリンビール」であることを印象づけることが重要になる。さらにストーリーを理解しやすくするために、なるべく早く舞台設定を伝えたほうが良い。その点、1カットめから「キリンビール本社」という文字が表示されており、濱田さんのジャンパーには「KIRIN」のロゴが入っている。


[自分がクリエイターだったら]

■「謀反」を「反乱」にする。

「謀反」は歴史の言葉なので、意味を知らないターゲットも存在すると考える。今回のCMのコンセプトと親和性が高いわけでもないので、あえて難しい言葉にする妥当性が無いように感じる。そのため、ほぼ同じ意味で、「謀反」よりも一般的な言葉である「反乱」に変えたい。

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