No.19 pepsi NEX ZERO 「桃太郎 Episode.ZERO篇」

http://www.suntory.co.jp/enjoy/movie/d/767126428002.html


[企業・商材について]

サントリーが発売しているコーラ。「コーラ」カテゴリーにおける売上シェアは、2位。コカ・コーラが長年No.1の地位を確立している。味は微妙に違うだけだが、ブランド力が大きく異なる。


[ターゲット]

炭酸飲料を好む人。10代~30代の若い層がメインだと考えられる。


[企画の思考プロセス]

ペプシと競合商品のコカ・コーラの味は大きく変わらない。だからこそ、コカ・コーラができない、ペプシならではの表現をすることで、受け手にペプシのことを好きになってもらいたい。

絶対王者のコカ・コーラに対し、ペプシは、長年不動の2位。「コカ・コーラというチャンピオンに挑み続けるチャレンジャー」という表現が可能。

チャレンジャーであることを受け手に実感してもらえれば、「何かにチャレンジしている人」や「誰かがチャレンジしている姿を見るのが好きな人」からの好意度を上げることができる。

昔話の「桃太郎」は、強い鬼に挑む「チャレンジャー」といえる。それを実感してもらうために、ターゲットが衝撃を受けるほどの壮大な映像で表現する。


[CMの仕掛けを簡潔に言うと]

「桃太郎」を壮大な映像で表現することで、ペプシがチャレンジャーであることを伝え、ターゲットに好きになってもらう。


[演出のポイント]

■映像に躍動感と荘厳さを出す。

鬼が村を襲う場面では、カメラが被写体を捉えきれていない。映像にブレがあることで、映像に躍動感が出ている。実際、躍動感のある車の映像などを見てみても、カメラが車を捉えきれていないことによってスピード感が出ている。

一方、巨大な鬼を映す場面では、カメラと被写体の距離をとって、カメラの動きは少なくしている。それによって荘厳な感じが出ている。メリハリがあることで、全体的に壮大な映像になっている。


■巨大な鬼を溶岩っぽいデザインになっている。

敵である巨大な鬼が恐ろしく表現されていることで、桃太郎(ペプシ)のチャレンジャー精神が強調されている。仮に、鬼を凝ったデザインにすると、アニメキャラっぽくなり、陳腐になる可能性が高いと考える。実際、ゴジラやガメラなど、恐ろしさがある人気の怪獣はシンプルなデザインが多い。溶岩を人型にしたシンプルなデザインであることが、鬼の恐ろしさを際立てている。また、赤い色を取り入れていることで、受け手にコカ・コーラを想起させることができる。その場合、ペプシのチャレンジャー精神がより強調される。


[自分がクリエイターだったら]

■犬、猿、雉に固有の武器を持たせる。

犬、猿、雉をさらに格好良く見せたい。戦隊モノやバトル漫画では、登場人物が固有の武器を持つ。そのことに魅力を感じる人は多いはずなので、犬、猿、雉にも固有の武器を持たせる。

人気バトル漫画には、非常に高い確率で刀が登場している。刀を格好良いと感じる人は多いはずなので、犬に刀を持たせる。猿は引っ掻くことが得意なので、鉤爪が似合うと考える。雉は、実際には鮮やかな色をしているわけではないが、虹色の羽を装備する。彩りが出るので、映像が映える。


■戦闘シーンを入れる。

格好良い映像にするために、迫力のある戦闘シーンを入れる。人間と同じ大きさの鬼と戦って勝利し、その後、巨大な鬼を背景に桃太郎たちが対峙しているカットを入れる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?