No.3 BOSS「用具係篇」

https://m.youtube.com/watch?v=WrkWNweNicU


[企業・商材について]

サントリーが発売している缶コーヒー。2006年から宇宙人ジョーンズのシリーズのCMが放送されている。人間の愚かさを嘆きながらも、働く人を肯定的に捉えることで、受け手が良い気持ちになるCMを展開している。


[ターゲット]

20代以上の男性。特に、働いている最中の人。


[企画の思考プロセス]

ターゲットである「働いている人」に、数多くあるコーヒーの中からBOSSを選んでもらうには、BOSSのことを好きになってもらう必要がある。そのために、働いている人を応援するCMにして、ターゲットに良い気持ちになってもらう。

「辛い状況で頑張っている人が報われる瞬間」を描く。

横浜ベイスターズの用具係である入来さんを映す。入来さんは、野球界で最高の地位ともいえる強豪球団のエースから、裏方の用具係になった「辛い状況で頑張っている人」。そんな入来さんが報われる瞬間を描く。


[CMの仕掛けを簡潔に言うと]

用具係の入来さんが報われる瞬間を描くことで、ターゲットを良い気持ちにさせ、BOSSのことを好きになってもらう。


[演出のポイント]

■セリフを叱るように言っていることで、結果的に好意を抱きやすくなっている。

「ちゃんと道具大事にせな」のセリフを叱るように言っているのが、後半に効いている。用具係に叱られることは、選手のプライドに触ること。両者の間にある不穏な空気をCMの受け手に感じさせる。その後、選手が「あの…」とボールを差し出すカットがあるが、受け手を一瞬不安にさせる。「選手が偉そうな態度を取るんじゃないか」といったような懸念を抱く。しかし、感謝の印として初勝利のボールを渡すので、受け手としては不安になった分、安心感を得るので、より好意を抱きやすいCMになっている。

仮に「ちゃんと道具大事にせな」のセリフを笑顔で言うなど、友好的な表現になっていると、仲が良いのだと感じる。その後のボールを渡すことに対する驚きが薄れるので、簡素な印象のCMになる。


[自分がクリエイターだったら]

■選手役に、本物の新人プロ野球選手を起用する。

入来さんという存在が強いリアリティを出しているのに、選手役にイケメン俳優が出演することでフィクション感が出る。入来さんの人生に関してはノンフィクションなのだから、そのリアリティを追求するために、本物の新人プロ野球選手を起用したい。加えて、ユニフォームをもっと汚す。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?