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自分の「石」を磨き続ける

 年末年始。昨年を振り返る。読んだ本、書いたメモ、手帳、仕事のノート。平穏な心で振り返りをしないと、同じような間違いを繰り返す。コロナで空いた時間で自分がやり始めたのが、日英同時読書。和訳版がある英語原著を日英共に買って読み始める。子育て中という事もあり、昨年はこの一冊から始めた。そして、再び読み返してみて、新たな気づきもあった。

 自分に合ったやり方、学び方を知る事はとても大切だ。それがわかれば、回り道をせずに、効率的に自分を成長させられる。続けられる。大抵の問題は、続けられない事だ。目標が明確でない場合もあるし、対象が詰まらないという事もある。継続できなければ、自分はダメな人間なんだなと思うし、その悪循環、つまり自分を負のスパイラルに置いてしまう。自分にあったやり方は変わっていくし、それに出会うためには、様々な方法をやってみないとわからない。自分が試した方法を振り返る方法もしっておきたい。今日は前向きになるような文章を紹介したい。子供の能力を伸ばすヒントを述べた本だが、大人でも学べる事は多い。

親や教師が子供のやる気を引き出す方法はいろいろあるが、最終的には意欲は子供自身の中から湧き出てくるべきものだ。さもなければ続かない。
意欲を長持ちさせる方法として親や教師に出来るのは、練習を子供が楽しめる活動と結びつける方法をともに考えてあげることだ。たとえば子供自身が自分は人前で楽器を演奏するのが好きなのだと気づけば、必要な練習をがんばる意欲が自然と湧いてくるかもしれない。
子供が心的イメージを獲得できるように助けてあげるのも、自ら学習の成果を評価できるようになり、やる気を引き出す事につながる。(中略)野球の心的イメージがあれば、子供はゲームの背後にある戦略を理解し、評価することができるようになる。
やがて生徒自身が努力の成果を実感し、自発的に練習に取り組むようになる。ピアノを習っていたある生徒は、人前で演奏して拍手を浴びる楽しさを知った。水泳選手の卵も仲間に認められ、尊敬されることに喜びを感じた。その過程で彼らは対象に一段とのめり込み、自分を周囲とは違う特別な存在にしているこうした能力をアイデンティティの一部ととらえるようになる。水泳のようなチームスポーツでは、同じような価値観を持つ仲間に囲まれているのが好きだという者が多かった。理由が何であれ、意欲は外から与えられるものから、内から湧き出るものへと次第に変化していく。
(練習に責任を負うのは親から子供とそのコーチや教師へと完全に移行する段階が2-5年ほど続くと)未来のエキスパートは学校や社会生活など他の関心事より、自らが伸ばそうと努力しちえる能力にアイデンティティを感じるようになる事がわかった。

幼少期からトレーニングを始めた人しか変化が認められない部位はある。

脳梁:左右の大脳半球を繋ぎ、その間で情報をやりとりする経路となる組織。7歳以前にトレーニングを始めた音楽家だけ、そうでない人に比べて有意に大きい。②感覚運動皮質:筋肉のコントロールと関係する部位 ③神経細胞の接合部位であるシナプシスが最も大きくなる年齢は2歳児であり大人の1.5倍 ④ 人間の脳に灰白質(ニューロン、ニューロン同士を結び付ける神経線維、ニューロンの支持細胞を含む組織)が最も多いのは青年期初期

・大人になってからの学びに関するヒント

大人になってからの言語学習は、不要な灰白質の排除、すなわち処理スピードを高めるために無駄な神経細胞を減らす事によって進んでいくと考えられる。→ (注:同時通訳者の灰白質が一般の多言語使用者より少ない理由が説明できる)
①大人の脳は子供や若者の脳と比べていくつかの面で適応性は低いかもしれないが、それでも学習し、変化することは十分可能だ。②大人の脳は若い脳とは違う適応性を持つため、大人が何かを学習するメカニズムも、若者のそれとは違う可能性が高い。大人でも懸命に努力すれば、脳が学ぶ方法を見つけてくれるはずなのだ。
自分は歌が歌えないと思っている人が乗り越えなければならない最大の障害は、そうした思い込みそのものだ。
何かを学習する速度は、人によって違う。
長期的に勝利するのは、知能など何らかの才能に恵まれて優位なスタートを切ったものではなく、より多く練習したものである。

自己充足的予言の危険性を十分自覚しよう。

生まれつきの才能を信じる気持ちは、一部の人にはある分野での才能があり、他の人々にはそれがなく、違いは幼少期からはっきりしているという考えに繋がりやすい。そうすると、「才能のある」子供を励まして支援する一方、それ以外の子どもには挑戦を思いとどまらせ、予言が自己充足することになる。一番結果が出そうなところに時間やお金や指導や励ましやサポートといった資源を集中させたい、子供たちに挫折を味合わせたくないと思うのは人間の本能だ。本来そこには何の悪意もないのだが、おそろしく有害な結果を招きかねない。これを避ける一番よい方法は、あらゆる人間に可能性を認め、それを伸ばす方法を見つける事だ。

挑戦の回数を増やす。少しでも興味があれば、ひとまずやってみる。あと1歩行動の幅を増やす癖付けをする。継続できるしかけを、可能な限り多く設定する。そんなところから始めてみよう。

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