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(本紹介)"GRIT やり抜く力" Angela Duckworth ④

マッズ・ラスムッセン(ロンドンオリンピック・ボート競技金メダリスト)

「努力あるのみ。楽しくなかろうが、とにかくやるべきことをやるんだ。だって結果を出したときは、信じられないほど嬉しいんだから。
そうか、この時のためにずっと頑張ってきたんだと報われた気持ちになる。だからこそ、苦しくてもまた頑張れるんんだ。」

やり抜く力の強い生徒たちが、意図的な練習をどのように感じていたかを調べてみた。
すると、やり抜く力の強い生徒たちは、情熱ややり抜く力の弱い生徒たちよりも、
意図的な練習の時間が長く、楽しさも大変さも強く感じていたことがわかった。

努力に関する主体的経験(努力をするときにどう感じるか)は、
何らかの形で努力が報われることなどによって変わることが、科学的根拠によって証明されている。

練習にも科学的知識に基づいた技術があること、
つまりスキルをもっと効率よく向上させる方法があることを理解した途端、
練習の質も満足度も急激に激しく向上したのだ。

意図的な練習の基本的な条件

・明確に定義されたストレッチ目標
・完全な集中と努力
・速やかで有益なfeedback
・弛まぬ反省と改良

意図的な練習を最大限活用するための提案

・習慣化すること
毎日、同じ時間、同じ場所で行う。自然と取り掛かれる。

「子供達は幼稚園に入る事には、自分が間違いをすると、
大人が反応を示すことに気づき始める。例えば眉をひそめたり、顔が赤くなったり、そんなことしちゃだめだよと指摘したり。
その結果、子供達は何を学んでいるだろうか?困惑や恐れや羞恥心だ。

興味は、情熱の源だ。

人間は誰でもある程度は、①快楽を得られる幸福も、②意義と目的を得られる幸福も、
どちらも追求するようにできている。

「目的」はほとんどの人にとって、とてつもなく強力なモチベーションの源になっている。

自分の最重要な目標を通して世の中に役に立てる人は、本当に幸福だ。
そういう目標を持っている人は、どんなに些細な事や退屈な作業にも、
意義を意味出すことができる。

大きな目的のためなら、粘り強く頑張れる。

自己中心的な動機と利他的な動機は完全に別のもの。双方が存在する場合もある。アダムグラントの研究によれば、100%自分の事だけ行動する人より、自分のことも社会のことも考えて行動する人のほうが、長い目で見た場合に成功する確率が高い事が明らかになっている。

・「目的」を持つためには、私ならきっと変化をもたらすことができると言う確固たる信念を持ち、行動を起こす覚悟が必要。そんな時こそ、お手本となる人物が「目的」に向かって物事を実現させていく姿を目の当たりにした経験がものを言う。努力は決して無駄にならないと信じる必要があるからだ。

「私は挫折をしてもめげない。」ではなく、「私は挫折をしても、めげたままではいない。私は立ち直る。」

・ちょっとした短いメッセージが相手のやる気をどれだけ高めることができるかをの日にしますね。

・ちょっとした短いメッセージが、相手のやる気をどれだけ高めることができるかを如実に示す例(心理学者のデイビット・イエガーとジェフリー・コーエンが行った、「高い期待を伝えるメッセージ」と「惜しみない支援」を組み合わせた場合の効果検証の実験):

【実験】中1を受け持つ教師たちが、生徒たちの作文に対してフィードバックを言葉を書くように指示された。"ここをこうしたらさらに良くなる"と言う提案とともに、いつも書いているような励ましの言葉を書くのだ。教師たちはいつも通り生徒たちの作文の余白にコメントを書き込んだ。次に、教師たちがコメントを書き込んだ作文は全て回収され、無作為に2つの山に分けられた。半分の作文にはそれぞれ次のメッセージの書かれた付箋が貼り付けられた。

(前者)「作文のフィードバックとして、いろいろなコメントを書き入れました。」

(後者)「あなたならほんと作文が上手になると思うので、いろいろコメントを書き入れました。期待しています」

 作文を提出して翌週に再提出した生徒は、前者は40%、後者は80%にも上った。後者のフィードバックを受けた生徒たちは、前者のフィードバックを受け取った生徒たちに比べて、自分の作文に加えた修正点の量が2倍も多かった。

・学校以外の課外活動を「2年以上」「頻繁な活動(1週間あたりの課外活動時間数が多い)」をした生徒ほど、就業率が高く、収入が高かった。青年期に何らかの活動を最後までやり通す事は、やり抜く力を要するとともに、やり抜く力を鍛えることにもなる。

・好循環とは、"もがきながらも努力を続けることが進歩につながり、それによって自信が生まれ、もっと大変なことにも挑戦できるようになることだ。"

・ダニエル、チャリンブス(社会学者)

「偉大な競泳選手になるには、偉大なチームに入るしかないんです」

「やり抜く力を身に付けるにも、大変な方法と楽な方法があると言うことでしょう。大変な方法は独力で頑張ること。楽な方法は同調性を利用するんです。集団に溶け込もうとする人間の基本的な欲求をね。やり抜く力の強い人たちに囲まれていると、自分も自然とそうなるんです」

"チーム特有の文化と選手とのあいだには、互恵的な効果が生じる。自身の競泳選手の経験があり、その後も研究者として、長年共有選手たちを観察してきたダニエルは、偉大なチームと偉大な選手の間には、因果関係を示す両方向の矢印が存在することに気づいたのだ。"

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