就労継続支援B型作業施設の避難階段

避難階段の設置義務があるかどうかお教え下さい。
用途:知的や精神障害の方が通う(泊まりません)作業施設(福祉施設)
既存木造2階建事務所兼倉庫を上記用途に改築します。
具体的にはトイレなどを増やします。
1階の面積109m2、2階の面積112m2
市の建築確認担当者に聞いた所、避難階段の設置が必要だと言われました。外につける鉄の階段です。
面積要件と、児童福祉施設と捉え必要だとのこと。実例もあると言われたのでその場は呑み込みましたが、とても金のかかることで、建築日数もかかります。設置場所も問題です。
本当に必要なのでしょうか。もしそうなら、建築基準法の第何条が該当するのでしょうか。
ぜひ建築士免許がある方にご教示願いたいです。とても困っています。宜しくお願いします。


おそらく就労継続支援B型の作業施設だと思いますが、建築基準法では「児童福祉施設等」に分類されます
(基準法施行令第115条の3 ⇒基準法施行令第19条)

木造2階建て事務所兼倉庫(延床面積221平米)を用途変更して作業施設にする場合、「児童福祉施設等」は特殊建築物に当てはまるので耐火または準耐火建築物にする必要がありますが(基準法第27条1項)、面積が300平米未満で階数も3階建てではないので、規定から外れます。

一方で、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害者支援施設の設備及び運営に関する基準では、第4条の構造設備で耐火または準耐火建築物にする必要性が謳われています。
ただし、第4条の3項にある基準を満たし、行政で認められた時はその限りではないということから、避難規定を満たせば良いという話なのではないでしょうか。

建築基準法においても「2以上の直通階段を設ける場合」(基準法施行令第121条)の1項4号で、「児童福祉施設等」の主たる用途に供する居室の床面積の合計が50平米を超える場合には2以上の階段が必要となります。

既存の建築物を用途変更して福祉施設にリノベーションンする場合は、各居室の大きさやバリアフリー、トイレなど水回りの数など内装ばかりに気を取られがちですが、避難など安全に関する部分をもクリアする物件を最初に押さえることがポイントになります。

私は仕事で以上のような物件探しやアドバイスを行っておりますが、利用者様の安全管理を第一に考えることが施設運営に信頼を頂く第一歩だと感じてます。

ご参考になれば幸いです。

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