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AIカンパニーCEO、LINE社執行役員就任にあたり

LINEにきて3年あまり、これまでMessaging APIの普及啓蒙にはじまりDeveloper Relations活動全般、その後LINE BRAIN事業を担当して参りましたが、2月15日付でAIカンパニーCEOを拝命することになりました。それに伴い、LINE株式会社のAI事業統括担当の執行役員に就任しております。

LINEではカンパニー制をとっており、各事業の意思決定スピードをより一層早めるとともに、該当領域でWOWなプロダクト・サービスを作り上げていくことを目指し、実践しています。AIカンパニーは、LINE/NAVERがもつAI技術を世の中に提供することで、AI Solution Companyとしての方向性をリードする役割を担っています。これまで舛田さんがいくつかの兼任のひとつとして広範囲にカンパニーCEOを担当してきましたが、新型コロナウィルス対応を支えているLINEヘルスケアや、弁護士相談、トーク占いなどの1 to 1事業や検索事業を切り離し、Clova、LINE BRAIN、LINEカーナビの事業開発、Gatebox事業を私が引き継ぐことでより強力にリードしてゆきます。

昨年6月のLINE Conference 2019では、人手不足に悩む飲食店の課題を解決するための取り組みとして、Project DUETと呼んでいた、AIによる電話自動応答の仕組みを、臨場感あふれるデモでご紹介しました。この取り組みは、その後LINE AiCallとして進化を遂げ、俺のグリル大手町店での実証実験を経て、近々より大規模な展開をしてゆく予定です。

11月のLINE Developer Dayでは、Day1キーノートの一部を私が担当させていただき、LINE BRAINを含むLINE社全体のAIの取り組みをご紹介させていただきました。OCRの精度を向上するために手書きフォントを自動生成する技術とあわせ、学習データを増幅するData Augmentationの取り組みについてお話ししました。メッセンジャーをはじめとするLINEの各種サービスをご利用されているみなさまのプライバシーを守りつつ、AI技術を高めてゆくための取り組みや姿勢をお伝えできたのではないかと思います。

LINE社のAIカンパニーは、コンセプトとしている「人にやさしいAI」、”Natural Experience with AI”を実現してゆきます。AIスピーカーClovaで培った音声認識、音声合成、自然言語処理技術はもちろんのこと、OCRや動画解析など日本語含む東アジア言語圏での自然言語処理や文化理解の強みを活かしたAI技術で、サービス利用者や企業・団体の課題解決に貢献してゆきたいと考えております。

例えば、先日発表があった渋谷区でのeKYC(電子的手段での本人確認)を活用した住民票と税証明書の申請手続き申請では、顔認証技術と、運転免許証などのIDカードフォーマットに特化したOCR技術を提供し、LINE公式アカウントと組みあわせることで、渋谷区民の利便性を高めるとともに、渋谷区役所の業務効率化に貢献しています。(取り組み開始時は職員向けの限定的な実証実験となります)先日メディア向けの説明会ではLINE BRAIN事業の責任者として、今後の方針をご説明した際に、2020年は社会実装により一層力を入れていくという話をさせていただきましたが、実証実験フェーズを抜けて、AI技術が当たり前のように生活や仕事に溶け込んでいる状況をつくりあげてゆきます。

AIスピーカーとしてみなさまの生活に溶け込んでご利用いただいているClovaは、さまざまなデバイスやサービスへの組み込みを拡大してゆきます。ここ最近で発表があったベネッセさんの進研ゼミ中学講座向け専用タブレットへの組み込みや、LINEのトーク画面から家電操作などClovaで実現していた機能を利用できるようにしたClova Botはその一例です。今後、LINE以外の企業から販売されるさまざまな形態のデバイスにClovaが搭載されてゆくことになると思いますのでご期待くださいませ。

Developer Relationsの責任者も当面継続となります。内閣官房での政府CIO補佐官としてのお仕事も継続する予定です。今までより時間とりにくくなるとは思いますが、現場大好きすぎるので、いろいろな場に顔を出し続けると思います。

LINE社の執行役員およびAIカンパニーCEOの就任にあたり、胡蝶蘭や会食のお誘いも大変ありがたいのですが、Clovaやチャットボット、AiCall、OCRなどを活用したAI導入プロジェクトのご相談の方がより嬉しいです。また、仲間を増やすべく全方面採用強化しておりますので、一緒に世の中変えてゆきたいという方からのご応募お待ちしております。

無類のガンダム好きである私が敬愛するシャア・アズナブル氏の名言に「私はお前と違って、パイロットだけをやっているわけにはいかん」というセリフがあります。私にシャア・アズナブルほどのカリスマやニュータイプ素養があるかどうかはわかりませんが、ネオ・ジオン総帥の立場で小惑星アクシズを買い付けたり全軍の指揮をとりながらも、ナナイさんの制止を振り払い、最新鋭のモビルスーツを駆り最前線で戦い続けるタイプのリーダーでありたいものです。同時に、信頼できる仲間の声にも耳を傾け、ジオングの足が飾りであることがわかる「偉い人」でいたいと思います。

引き続きのご指導ご鞭撻、お付き合いのほど、何卒よろしくお願い致します。


以下、FAQ。

で、お前だれ?

自己紹介なく失礼致しました。各種メディアでのインタビューでLINEに参画する前の経歴など含め語っておりますので興味がありましたらGoogleなどで検索の上ご確認くださいませ。

ClovaやLINE BRAINはどうやってGAFAM/BATと戦ってゆくのですか?勝算はありますか?

前職マイクロソフトでのAzure技術啓蒙担当時代、マイクロソフトはもちろんのことAWSやGoogleの恐ろしさは正しく理解しているつもりですので、全世界規模で全面的に挑むつもりは今のところありません。ただ、彼らグローバルプレイヤーが日本含む東アジア市場、日本語などの言語対応で優先度をあげにくい状況において、言語とユーザー行動理解の強みを活かして競合、協業してゆきます。

Yahoo!との経営統合で、LINEのAI事業はどのように発展するのでしょうか?

申し訳ありません。現時点においてお答えできることはありませんし、統合を前提にした協議を行っているわけでもありません。が、世の中大きく変わりそうな妄想はできそうですよね。このタイミングで責任ある立場をお任せいただけるのは楽しみすぎます。


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