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映画作ります。

今から1年前。
とある映画監督のワークショップを受けた。
映画館を2日間貸し切って、そこで行われたワークショップ。

1日目は監督が書いてきてくれたシナリオを使った演技。
2日目は、6人1組3グループ作り、それぞれにハンディカムを渡して「この映画館で映画を撮ろう!」というのを企画してくれた。
その時間がとても面白く、普段俳優部として活動していただけの僕たちが、みんなでストーリーを考え、監督したりカメラマンしたり録音さんしたり、全員出演もしたり、それはそれは本当に楽しかった。

ワークショップが終わり、参加者と打ち上げをしている時、「監督の作品出たいね」「どうやったら出れるんだろ?」なんて話しているうちに、誰かが「監督を監禁して、『わかったよ、出すよ』って言うまで帰さないっていうのはどお?」なんて言い出して、さらに「じゃあさ、それを映画にしたらどう?」なんてさらに盛り上がった。その時は。

それから半年、僕の中で、実はそれがずっと残ってて、映画を作る楽しさをあのワークショップでも体験したのも相まって、本気で「映画監督を監禁するっていう映画」を作りたいと思っていた。

それから僕は台本を書き始めた。
映画の台本なんて書いた事ないから、何度も心が折れて挫折して手を付けない日々があり、それでもなんとか脱稿した。

年が明けて、台本を監督に読んでもらった。
もちろん監督役は監督本人にやってもらうということで。

しかし、返事は却下だった。

監督の却下理由も聞いた。仕方ない。
残念だけど諦めよう。
そんな時、監督から

「田口さんと二人芝居とかしたいな」

って言ってくれた。
「今度台本会議しよ」
って言ってくれた。
「はい、お願いします」
って僕は言った。

それからしばらくして監督から本当に台本会議しようって連絡が来た。
嬉しかった。
せっかくだから僕の信頼している女優さんもその会議に参加してもらうことにした。

2月初めに居酒屋で3人で飲みながら、楽しくストーリー考えたりして、「じゃあ締切2月末で」なんて言われちゃって。
それから2月末までに、台本を書き上げた。
我ながら、面白いストーリーになったんじゃないかと思った。

監督に送ると、「面白かったよーでも撮影大変そうだね」と返事が来た。
そう、撮影のことを何も考えずに書いていたら、シーンは16シーンもあるし、なかなか難しい撮影や撮影許可が困難なロケ地など書いてしまっていた。

でも僕は監督にこう言ったんだ。
「チャレンジしたいです!」

すると監督は、「動かないと始まらないからね」と、言ってくれて
出演も承諾してくれた。
こうして晴れて制作スタートとなったわけである。


それから2ヶ月。
スタッフィング、キャスティング、ロケハン、ロケ地撮影交渉、予算組み、スケジュール、道路使用許可申請、台本の直し、もう他いっぱい、、、全部やった。
いやー本当に大変な作業だった。映画制作というのはこんなにも大変なのか。
普段、自分が俳優部として現場に行くだけだったけど、撮影までにこんなにも大変な作業があったんだと、身をもって知った。
これから現場に行くときは感謝の気持ちを持っていきたいと思う。

そんなこんなでなんとか準備を進めていると、キャストやスタッフのみんなが気にかけてくれて、いろいろ相談にも乗ってくれた。
とてもありがたかった。
初めての監督作品を、、、あ、そうだ、言ってなかった。
僕、初めて映画を監督します。
出演は、映画監督の方。
俳優が監督して、映画監督が俳優として出演。
そんな映画です。


数日前、出演してくれる女優さんから差し入れが自宅に届いた。

あまりに大量で驚いた。
嬉しいな。ありがたいな。
絶対いい作品にしようと決めた。


そんな映画、いよいよ明日クランクイン。
準備は全てしてきたつもりだ。
あとは楽しむだけ!
天気予報、、、午後から雨!
まあいい。


では、1週間の撮影行ってきます!