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フリーランスデザイナーが離れて暮らす高齢の母の暮らしをわかりやすくデザインし、習慣化を定着させるためにやってきたこと

クソ長いタイトルですみません。
タイトルに書いたとおりの内容です。
この2年間、仕事以上に真剣に取り組んできたことについて今回は書いてみたいと思う。

自分には関係ない、まだ先のことだと思ってたけど、いつのまにか自分ごとになっていた。
何かというと、つまり親の介護です。

うちは2年前に始まった。
コロナの影響をもろに受けて、外出や人や社会との接触がいちじるしく減ってしまって、母の認知機能が一気に低下した。
診断の結果、認知症であることがわかった。
日に日に困難になっていく母の生活をどうするか。
自分の仕事も激務のままだったけど、向き合わずに放っておくわけにはいかない。
どうせやるなら真剣に取り組もうと決めた。

正直、書くかどうか迷うテーマだったけど、知人にも同じような悩みを抱えている人がいて、「うちはこんなふうにしてるよ」って話をしたら、それをまとめて欲しいとリクエストされた。

なので書いてみることにした。

とは言えこんなことが誰の役に立つのかはわからない。
正直、うちがうまくできているかと言われたら失敗だらけだったりもする。

ただ、とにかく最初からノーヒントで、むちゃくちゃ大変で、すごく自分も困ったのも事実。
事前に知っておきたかったことが多かった。
どうしたらいいのか?
ネットで検索してもふわっとした情報は出てくるけど、具体的にこれをやればいいというような情報にいまいちたどり着けなかった。
だから少しずつ実践して、いろいろ本も読んで勉強した。

わたしは専門家でも医者でもないので、やってることが正しいかと言われるとよくわからない。
ただ、この2年いろいろ試行錯誤を繰り返して生活環境を整えたり、母の生活の習慣化をサポートしたり、うまくいったこともあれば、いかなかったこともたくさんあった。今回は感情的な部分は極力排して、できるだけ具体的にこれはやってよかったということだけを簡単に書いてみようと思う。

もっと早くやっておけばよかったってこともあるので、実践した順番通りではなく、順番は少しバラバラになるけど、できるだけ整理して書いてみる。

あくまで素人が個人的体験に基づいて書いてることなんで、いろいろ言いたいこともあると思うけど、役に立ちそうなところだけ拾っていただければと思う。

はじめに

まずうちの環境について簡単に書いておく。

母は70代、後期高齢者の一人暮らし。
うちから車で片道1時間くらいの所に住んでる。
母子家庭で、わたしはひとりっ子。
お互いの同意で同居という選択肢はとらない。
ずっと仕事人間として生きてきた母は基本的にあまり家事をしない。
料理もしないし、何年か前から買い物も苦手になった。
基本は外食。あとはあるもので適当にすませる生活。
食べ物は生活クラブの宅配で届けてもらうのを基本にして、冷凍食品などの買い物はわたしが買って行きストックしていた。

仕事をやめてからもエッセイストとして本を出版したり、アニソン合唱グループを結成して練習に発表に精力的に活動をしている人だった。

ただコロナで生活が一変した。
持病があるので、重症化リスクが高く、極力外出しなくなる生活になった。
合唱の練習がなくなり、仕事もやる気を失い、日に日に元気がなくなっていった。
ほぼ家にこもるようになり、外に出なくなることで、もともと丈夫でなかった足の状態が悪くなり、動かないからますます歩けなくなるというスパイラルにはまった。

この頃から毎日母と電話でしゃべる習慣を作った。
毎晩、必ず電話をかける。
生存確認の意味も含めて必ず電話をするようにした。

しかし、ある日は突然やってきた。

2020年秋―

郵便局のATMにお金をおろしに行った母が急にATMの操作がわからなくなってパニックになり、お金もカードも、どこにいったかわからなくなったと電話をかけてきた。

今自分がどこにいるのかもわからない、何していいのかわからいない、完全なパニック状態。

あれ、母の様子がおかしい?
え?もしかして?

こんなこと今まで一度もなかったので母のところに駆けつけた。
なくしたしたというカードは出てきて、お金の引き出しもされてなく無事だった。
ただ、この日をきっかけに少しずつ心配なことが増えていった。

わたしには突然だったけど、じつはそれは突然ではなかった。
あとで本を読んで知ったけど、認知症はいきなりなるものではなく、徐々に進行していくものだという。
あとで考えれば前兆らしきものは沢山あった。
・待ち合わせの場所でなかなか会えない
・少し複雑な話が整理できなくなる
・好きだったことのやる気が失せてやめてしまう
・冷蔵庫と冷凍庫がわからない
・氷をどう使うかわからない
・パソコンのログインパスワードを忘れる
・パソコンのファイルが探せない
・片付けが苦手になりリビングに郵便や書類の山ができる
・新しいプリンターの使い方が全然覚えられない
・何度も同じものを買ってきてストックがたまっていく
・お米を一切炊かなくなった
・年賀状を買ってくるけど書かなくなった

老化でしょうって軽く見ていた。
少しずつ変わっていたことに全く気がついてなかった。

目に見えてわかってきてからは、困難なことが増えはじめ、生活すること自体が難しくなっていった。

これはどうにかしないと。
切実にそう思うまでそんなに時間はかからなかった。

少し話が変わるが、わたしの仕事はデザインすることだ。
主な仕事は本の表紙を作ること。
本が売れるように表紙をデザインする。
だいたい人が本の表紙を見る時間なんて1秒あるかどうか。
一瞬でどんな本なのかわかるようにデザインする。
それが仕事だ。

つまり大事なのは、シンプルにすること、わかりやすくすること。
これ、母の暮らしに役に立たないだろうか?
「母の暮らしをわかりやすくデザインする」
これがもしかしたらわたしの使命なんじゃないか。

もう一方でフリーランスとして働く中で、色々なことを習慣化することも生活のテーマとしてやっている。

母の暮らしをわかりやすくデザインし、習慣化を定着させる。

母の認知能力の低下に直面して、これがわたしの新しいテーマになった。

自分の仕事と生活をできるだけ守りつつ、母の生活も真剣にサポートする。

具体的に何をしたか、かなりざっくりとになるけど、できるだけ整理して書いてみようと思う。

※あくまでこれは離れてひとりで暮らす親を、離れてサポートする場合の話です。
それからわたしは専門家でも医者でもないので間違った認識でやってることもあると思うのであくまで個人的な話として読んでください。
文句や間違ってること、アドバイスがあれば参考にしたいので是非コメントかメッセージください。

資産を把握する

いきなりこれ?と思うかもしれないけど、これ大事!

まず親の経済状況をしっかり把握する。
毎月の収入、つまり年金はいくらあって、支出はどのくらいあるのか。
いくら預金があるのか、保険はどんなのに入っているのか。

遺産がいくらになるか…とかそんなことを調べるんじゃないからね。
そこはくれぐれも勘違いしないように。

介護サービスを使ったり、施設に入る可能性もある。
最大に月いくらまでお金をかけらるのか、いつまでそれが可能なのか、これを把握しておかないと、いざというときの手が打てなくなる。

まず経済状況の確認。
本人がきっちり管理してあれば何の問題もないけど、本人が把握できていない場合は、郵便物を整理して金融機関や保険の通知を掘り起こして、おおむねどこと何の契約をしているのかなど確認する。
とにかく書類が山のようにあるので見るだけでも大変だけど、一度きちんと整理した方がいい。
保険会社や銀行に連絡して担当者と親も交えて一度話を聞いて詳細を把握するという手もある。

病院で受診する

認知症なのかどうなのか心配なら、早めにもの忘れ外来などを受診をするのがいい。
何事もなければそれはそれで安心できるし、診断が出るにしても早いほうがあとの動きがとりやすい。介護認定を受ける際も診断があった方がよいようだ。

これがけっこう混んでまして。
コロナ禍のまっただ中だったからかもしれないけど、うちは受診まで2ヶ月以上待った。なのでできるだけ早めに予約を入れた方がいいと思う。
それよりも近所の病院で脳神経科などを受診するとか、かかりつけ医がいるなら相談してみるとか、その辺は使いやすい方を選択するのがいい。

ケアマネに相談する〜介護保険・訪問介護の利用

親の生活が不安、困難に思えたら、まずはケアマネジャー(ケアマネ)を探そう。
ケアマネは介護のスペシャリスト。
探し方は紹介とかいろいろあるみたいだけど、何の心あたりもない人が大半だと思うので、その場合はとりあえず近くの地域包括支援センターをネットで調べて連絡。
状況を説明してケアマネージャーを探していると伝えれば大丈夫だと思う。

ヘルパーをお願いするのか、介護保険を使えるのか、それには介護認定を受ける必要があって、要支援なのか要介護なのか介護度を判定してもらって、それによって使えるサービスも変わってくるので、基本ケースバイケース。
どうしたらいいかは基本的にケアマネさんに相談しながら決めていくことになる。

「ケアマネを探して相談」「介護認定を受ける」「介護保険をできるだけ使う」この3つのことだけ覚えておけばいいと思う。
とにかく「困ったらケアマネに相談」。

介護保険とは?とか、どんなサービスが使えるの?とか、そういうのは説明しはじめると本1冊必要になるので自分で調べて。
この本は必要な要素だけ簡単にまとまっててわかりやすかったですよ。

訪問医療と訪問看護の利用

訪問のお医者さんをかかりつけ医にする。
離れて生活しているので、これはすごく助かった。
月に2回自宅で診療してもらう。
先生が来るタイミングでタブレットのテレビ電話をつないで、リモートでこちらも診療に参加する。
定期的な健康管理もできるし、体調面で心配なことがあれば相談もできる。
急に具合が悪くなった場合も、すぐにかけつけてくれる。
ワクチンも面倒な予約をせずに打ってもらえた。
一度体調をくずして入院してから利用を開始したのだけど、もっと早く利用しておけばよかったと思う。

週に1回の訪問看護。これも本当に助かった。
看護師さんが家に来てくれるサービス。
健康管理などはもちろんなんだけど、一番助かったのが薬の管理。
後述するけど薬カレンダーにその日に飲む薬を配分して入れていく作業が結構大変で、それを毎週お願いすることができて、これでかなり負担が減った。

人によって必要かどうか変わってくると思うけど、うちはマストだった。
どちらもケアマネさんに紹介してもらった。
ほんとにケアマネさんには感謝しかない。

生活環境を作る1:Wi-Fiは必須

もし親の住んでいる家にWi-Fi環境がなかったら設置する。
離れた所からサポートするにあたってこれは絶対に必要。ないと話にならない。
使う使わないの話ではなくて、確実に必要になるのでなければ絶対に導入する。

生活環境を作る2:見守りカメラ

ある程度心配なことが増えたらこれは導入した方がいい。
360度見渡せるカメラ。
スマホでリアルタイムで家の状況確認できる。
できるだけ本人が気にならない場所に設置。
後述するけどうちは服薬状況を確認するために設置したので、薬カレンダーが見える位置においた。
でかけているのかどうかの確認できるし、具合が悪いと言ってるとき、状況が見えないと不安になるけど、様子が見えるとある程度状況が把握できるので安心できる。そのためにもこれはあったほうがいい。
部屋の温度もこれでわかるので、それも助かる。
安いのもたくさんあるけど、セキュリティのこともあるので、そこそこ信頼できるメーカーのを買った方がいいと思う。

生活環境を作る3:スマートリモコンを設置

Wi-Fiを使って遠隔でリモコン機器を操作するもの。
これとっても重要。
何が重要かというと夏の暑さ対策。
うちはだいぶあとで設置したけど、できるだけ早くやった方がいい。
そのくらいエアコンは重要!
認知機能が低下すると暑いのか寒いのかわからなくなる。
なので真夏の暑い中、エアコンをつけずに過ごしていたりする。
うちは当初カメラもスマートリモコンも設置してなくて、夏に母が熱中症で倒れて救急車で運ばれることになった。
あの時、このことに気がついていれば…と悔やまれることのひとつ。
見守りカメラで部屋の温度もわかるので、部屋の温度が高かったら、スマートリモコンで冷房をつける。
それからテレビのリモコンも登録しておくこともお勧めしておく。
後にテレビの付け方がわからない、テレビが消せないということが頻発したので、そのときは電話をかけながら、「じゃ、テレビつけるよ」って言ってつけてあげる。これ、けっこう使えた。

ちなみにこのスマートリモコン、常時光が点灯している。

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部屋に光っている新しいものが増えると気になってしまうようで、「これ何?」って聞かれ「これはリモコンだよ」と伝えても、またすぐに「これ何?」ってなる。
違和感にはとても敏感になるようなので、こういうものは見えないところに設置した方がいい。
うちは最初リビングの見えるところに設置したのだけどあとで、テレビの裏に設置し直した。
テレビの後ろにおいてもテレビはふつうに操作できた。

生活環境を作る4:タブレット設置

タブレット。
これも買っておいたほうがいい。
今は安いのでも高機能なものがあるので、とりあえず手頃なのを買う。
ちなみにうちで買ったのはこれ。

置くスタンドもあった方がいい。

主に使うのはスカイプでのテレビ電話。
あとスケジュール管理もこれでできる。あまり活用してくれないけど。

新しく機器の使い方を覚えるのは難しいので、できるかぎりわかりやすく、機能を限定して使う。

こんな感じでセッティングした。

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「アレクサ、今日は何日?」
「アレクサ、今日の予定は?」
「アレクサ、◎◎に電話」
こう話せば画面に触らずに操作できる。
こちらが電話をかけたときに出られるように下部に押す箇所がわかるように印をつけた。
電源の切り方がわからなくなるので、「しばらくすると画面は消えます」ときちんと書いておくことも重要。
とにかくわかりやすく、シンプルにしていく。

スケジュールの方は、こちらでアカウントを作ってPCのアウトルックで入力しておく。ちょっと大変だけど。
「アレクサ、今日の予定は?」って話しかけると、アウトルックで入力した情報をアレクサが読み上げてくれる。
面倒な割にあまり使ってくれないので、やらなくてもいいことのひとつかも。
ただ、こちらでスケジュール入力しておくことで予定を把握しておけるということもあるので、やっておいて損するということはない。

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生活環境をわかりやすくする1:戸締まり対策

小さなことだけど、鍵の閉め忘れがあるかも?
という心配から夜、目につくところに「鍵かけた?」のポスターを貼った。
母が好きな羽生結弦の写真を使って自然に目につくように。
寝室の電気のスイッチ上と、トイレのドアの内側に。
わかりやすく、でも楽しくすることも忘れない。

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生活環境をわかりやすくする2:日付が大きい時計

「今日は何日だっけ?」かなりの頻度でこの質問をされる。
今がいつかわからなくなる、だから日付と曜日がすごく気になるようだ。
なのでできるだけ日付がわかりやすい時計を見えるところに設置する。
うちで使っているのはこれ。
そのままおけるし壁掛けもできる。
すごく役に立った。
これをカレンダーの横にひとつ。
服薬用のカレンダーの横にもひとつ。
玄関にもひとつあってもいいかもしれない。
日付や曜日を確認しないといけないところにおいておく。

生活環境をわかりやすくする3:大きなカレンダー

カレンダーや予定表はいつも座っているところから常に見える位置に貼る。
毎月の表示は大きくて、年間のカレンダーがわかるものがいい。
カレンダーには手書きで必要な予定を書き込む。
できるだけ予定は自分で書いてもらうようにする。
病院に行く日や人に会う日の予定は電話をしながら自分で書いてもらうようにする。
カレンダーの横にはすぐに日付がわかる時計を置いておく。

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生活環境をわかりやすくする4:薬カレンダー

薬の管理。
これがけっこう大きな悩みで、持病があって薬を忘れずに飲まないといけないのだけど、それがうまくできない。
なのでこれを使うことにした。

薬カレンダーにその日に飲む薬を分配して入れる。
そして横に日付が大きく表示されるデジタル時計を設置。
何日の薬を飲めばいいかをわかりやすくする。
一目でわかるように生活をデザインする。
これすごく大事。

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そしてこのカレンダーが見える位置に見守りカメラを設置して薬を飲んだかどうかをチェックする。
自発的に薬を飲むことは、ほぼ確実にないので、電話して飲むように誘導する。
まず、見守りカメラで薬カレンダーが見える状態で電話をかける。
電話をかけた状態で薬の所まで誘導。
日付を確認してもらいその場で薬を飲むところまで確認する。
これを毎日かける電話の最後にすることにした。
(平日の午前中の服薬はヘルパーさんにお願いすることに)

生活環境をわかりやすくする5:機器をわかりやすくする

意外に気づかないけど、やっておいた方がいいことのひとつに、親のスマホや電気機器の写真を撮っておくというのがある。

けっこうな頻度でスマホやリモコンの使い方が分からなくなる。
「どうするんだっけ?」って言われても実際にものを見ないとわからない。
なので、あらかじめスマホのボタンとか、写真に撮ってまとめておく。
音を大きくするボタンはどこにあるかとか、こちらで把握しておく。

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100均で売ってるボードを使って使い方説明の簡単なものを設置するのもあり。
とにかくわかりやすくシンプルにしていくことを心がける。

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超細かいことだけど、冷蔵庫も野菜室、冷凍庫の表示もしておいたほうがいい。

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習慣を作る1:毎日電話する(会話の習慣)

これは自分の習慣として定着させること。
毎日電話で話すようにした。
2年以上、毎日電話している。
なんでも習慣化するなら毎日やった方がいい。

認知症予防としても「話す」ことは大事らしい。
何でもいいから電話する。
今日あったことをひとつでもいいから聞いてみる。

認知症の人との会話で気をつけるのは、相手の言ってることを否定しないこと。
電話だけに限ったことじゃないけど、会話で相手の言ってることを否定しない。
明らかに間違ったことを言ってても「違うでしょう?」って言わない。
「そうなんだね」って、まずは聞いてあげる。
その上で少し詳しく話を聞いてあげる。
正しく導こうと思っても時間の無駄というか、正解に導いても30秒後には元に戻ってループする。
正しさよりも機嫌良さを心がける。
全部笑顔で肯定して、いい気分になる方がいい。
さすがに間違ったままだとまずいところはちょっと方向修正するくらい。
出口をどうしたいか? どんな気分で会話を終えたいか? それだけ考えて話す。

習慣を作る2:ボケルナ帖(書く習慣)

なんじゃそりゃ?ってネーミングだけど、「ボケルナ帖」というノートを作った。
表紙にただ「ボケルナ帖」って書いた普通の大学ノート。

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1ページ目に「書くこと、歩くこと、毎日やりましょう」
ってフレーズを書いた。
毎日書くことを一緒に考えながら決めていく。
・食べたもの
・見たテレビのこと 何を見たか誰が出てたか
・起きたら体温を測って記録
・新聞を読んで考えたこと
など1日3つ何でもいいから書こうって一緒に決めた。

1日3つ、記録をつける習慣。

と言っても、今まで日記を書く習慣がなければ基本的に自発的には書かないと思っていい。
なので毎晩電話をかけて一緒に書く。

今日何があった?
夕ご飯食べた?
聞きながらそれメモしておこうか?
って書かせる。

これが会話の糸口にもなる。
何も思い出せないと言っても、話していくうちに少しだけ思い出したりする。
こちらでスケジュールを把握していれば、「今日はヘルパーさんきたでしょう?」という言葉がけもできて、それがきっかけで少し会話が広がったりする。

習慣づくりは一方的にさせるのではなくて、一緒に作っていく。
親の習慣だけでなく、自分の習慣づくりもしっかりしていくことがとても大事だということ。
結局、毎日の母の日記をつける習慣が自分の方に完全に身について2年間やり続けている。

習慣を作る3:毎日することボード(確認の習慣)

1日の予定を規則正しくするために、毎日やることボードを一緒に作ってみた。

朝起きたら何する?
お昼はどうやって過ごしたい?

そんなことを聞きながら100均で売ってるホワイトボードに書き込んだ。
そしていつも座っているところから見える位置に設置した。

大事なのは予定でも何でも見えるところにおいておくこと。
そして一緒に考えること、やれる範囲で考えること。
これ、とても重要。

最初は下のようなものにしてアウトルックにも細かく毎日のタスクを入れてたけど、結局長続きしなかったのでのちにもう少し簡単なものに変更した。

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習慣を作る4:毎日少しでも歩く(運動の習慣)

朝の散歩を習慣にする。

やっぱり脳には運動がいちばんいいらしい。
特に歩くことの重要性はあらゆる本で言っている。

なので「朝、散歩する」はマストと言っていい。

ただ、うちの母は足を悪くしてこれが容易じゃなく…
目的もなく歩くのは嫌いという性格でもあるので、ちょっと困った。

なんとか持続できたのは近所の公園でやっているラジオ体操に行ってくるというもの。
ラジオ体操自体は見ているだけだけど、往復のほんの少しの距離でも歩く習慣をつける。
毎朝、時間も決まっているので規則正しい生活をするのにも効果がある。

何かひとつ小さな目的をみつけてそれを毎日繰り返す。
はじめのうちはモーニングコールをかけるなどして、こちらも工夫する。

おわりに

本当に簡単にざっくりとやってよかったことを簡単にまとめてみたけど、配食のサービスのこととか、楽しいこともしっかりしていこうとか、全然書いてないことだらけで、結局は不完全な途中報告みたいな内容になってしまった。

ただ、ふだん仕事で心がけていることや、生活の中で大事にしていることが、こんなことに活かせるってことが、大きな気づきとしてあった。
その意味で親の生活をサポートすることは自分にとっては大変だけど有意義なことだと思っている。

家電のデザインはもっとこうした方がいいだろうとか、高齢者向けのこういう商品があった方がいいんじゃないかとか、今後の新しい仕事につながるようなヒントや気づきもたくさんある。

そしてやっぱり、習慣化はとっても大事だってことに行き着く。
認知症対策にも習慣化はとても効果があるようだ。

今日読んだ本にも書いてあった。

いずれ衰えてできなくなることも、毎日続けておけばできなくなることを遅らせることができる。
例えばATMで暗証番号が分からなくてお金を下ろせなくなるのも、毎日少額ずつお金をおろしにいく習慣を作れば、わからなくなるのをずっと先に遅らせることができる。

とにかく習慣化はとても大事だ。

でも高齢になった母にいきなり習慣化を課すのは難しい。
だから一緒に習慣を作っていく。
この考え方でやっていく。
これがとても重要だと思う。

正直、予測不能のことばかり起きて、一筋縄ではいかないのが実情で、今も悩みながら、迷いながら工夫する毎日が続いている。
今年の夏に再度入院したこともあって、また状況も変わってしまった。

最近始めた工夫は、チェキでの撮影。
会っても、会ったことをすぐに忘れちゃうので、その場で写真を撮って日付けを書いて渡すことにした。

こんな感じで、少しずつ、考えながら、これからもやっていこうと思う。

またいずれ機会があれば続きも書いてみようと思う。

長々と読んでいただきありがとうございました。


今回、これを書くにあたり念のため母にも了承を取った。
「困ってる人も多いだろうから、ぜひ書きなさい」とのことだった。
それで記事をアップしたわけだけど、まさか顔出しまでするとは思ってないだろうな…あとで消すかもしれないけど、先週一緒に撮ったチェキを最後に。

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