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ジャズのライブを聴きに行ったら眠っていたエヴァ熱に火がついた

週末にジャズのライブに行ってきた。
今年初のライブ鑑賞。

たまにはジャズとか聴きたくなるじゃない。

すみません。ウソです。
あんまりジャズ、詳しくないです。
どちらかというと完全なジャズ弱者です。

この状況でライブに行くというのもちょっと心配な部分もあったのだけど、小規模なホールで、ジャズならそれなりに静かでいいかというのと、正直、もう制限・制限している生活にうんざりしてきてた。4月からほとんど家を出てない状態で、いい加減なにかしたかったというのが大きい。

な、わけで行ってきました。
初のビルボードライブ横浜。

本当は春頃にオープンする予定だったんだけど、緊急事態宣言などあってオープンはかなり遅れてしまって、夏頃にオープンして、以降ずっと気になっていた場所。

今年この状況になってからのライブは初めてだったので、他がどうなのかは知らないけど、入り口でしっかり一人一人検温されて、入場時に連絡先の提出もあり、ディスタンスもしっかり保たれて、公演中のマスク着用と声出し禁止などのアナウンスも徹底されていたり、前列の客席ではフェイスガードの着用があったり、神経質すぎやしないか?ってくらいきっちりしていて、なんだかすごい安心感。
黙って座って、静かに聴け!ってむしろぼくはウェルカムかも。

で、何を聴きに行ったかというと、これ。

「高橋洋子 meets クリヤ・マコト〜残酷な天使のジャジーな夕べ〜」

そういえば生で「残酷な天使のテーゼ」聞いたことないな…くらいの軽い気持ちで、どんなライブか調べずにチケットを申し込んだ。

「残酷な天使のテーゼ」、「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌。

「エヴァンゲリオン」が放映されていたのは大学生の時だ。
ご多分にもれず、ハマった。
そこそこの沼状態だった。

テレビ放映時、お金はまったくなかったけど、時間だけはありあまっていたので、とにかくテレビ放映を録画して見まくった。
1話目からVHSに標準録画して(通常は3倍録画だった)毎日見て、レーザーディスクを買って見直して(1巻の初回購入特典のボックスを手に入れるために町田と横浜中のレコード屋を訪ね歩いたな…)、放送が終わると友人と何時間も長電話して(携帯がなかったから家電だった)、関連本を読みあさって、グッズを買いあさって、PCのデスクトップも部屋のポスターもエヴァだらけ、そういえばWindowsのRPGツクールでオリジナルのエヴァRPGゲームを作ったりしていたな(未完で終わったけど)…。
青春時代の三分の一くらいはエヴァだったんじゃないかと思う。

ま、当時はそんな人ばっかりだった気がするし、超熱狂的な人に比べれば足下にも及ばないレベルだけど、それなりにどっぷりエヴァにハマって、たくさんお布施を払った中の一人ではあったと思う。

あれから25年、もう熱はほぼ完全に冷め切ってはいるのだけど、やはり青春時代の名残りはあって、「残酷な天使…」みたいなワードには無意識に反応してポチりとしてしまう。

で、今回のライブ。
事前に何も調べていなっかたので、「ジャズ」のライブでしょ、ジャズのスタンダードっぽい曲をやって、最後にサービスで「残酷な天使のテーゼ」を歌って終わるヤツでしょう。ジャズ、あんまりよくわからないけど、楽しめるかな…なんて思っていったんですが…

全然そんなライブじゃなかった。

完全にまるごと「エヴァンゲリオン」でした。
なんか、とっても最高でした。
語彙力のとぼしさを呪いたくなりますが、とにかく最高に楽しかった。
ジャズのライブでこんなに「楽しい」って思えるとは…。
はっきり言って予想外でした。

初めてのナマ・高橋洋子の歌。
いや、こんなにいいとは思わなかった。
思わず帰ってから家にある曲を聴きまくってしまった。

ピアノのクリヤ・マコトという人。
初めて名前を知りましたが、この人、テレビ版のエヴァンゲリオンのエンディング「FLY ME TO THE MOON」のピアノを担当されていた方なんですね。
家に帰ってCDのライナーノーツ調べたら、ちゃんと名前が載ってました。

つまり、この2人、25年来のエヴァ・コンビだったんですね。
ただ、25年前のレコーディングは別録りで会ってないそうですが。

この2人によるエヴァ尽くしのファンサービスのようなジャズライブ。

オープニングは、「Great American Melodies」というクリヤ・マコトのアルバムの曲で、ここだけはエヴァとは関係なかったけど、映画音楽をジャズアレンジしたナンバーで、ロッキーとか、美女と野獣とか、ラプソディー・イン・ブルーとか聞き覚えのあるメロディばかりで心地よかった。

それが終わって高橋洋子がボーカルで加わって、エヴァライブが始まる。

1曲目は「TENSIONS」
「TENSIONS」って聞いてもピンとこないですが、誰でも知ってるあの曲です。「Decisive Battle」に歌詞がついたバージョン。
エヴァと言えば、この曲ですよねって曲。
ダーンダーンダン♪っていう。
「ヤシマ作戦」のBGMでお馴染みのアレ。
それに歌詞がついたバージョンの更にジャズアレンジ。
ちなみに「TENSIONS」は、エヴァとシンゴジラとの楽曲をボーカルにした高橋洋子の「Welcome to the stage!」というCDに収録されてる。


2曲目は「魂のルフラン」
名曲中の名曲ですね。エヴァ歌の中では一番好きな曲かも。
「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」のエンディング曲。
ジャズ、アレンジもすばらしかった!さすが、神曲。
すばらしい曲なんだけど、今になってみると、この曲を劇中で聴く機会はないですよね。
これが流れる劇場版の「Reverse」って、もう昔のソフトでも持ってないと見られないし…。
その「Reverse」で、この曲を初めて聞いたときの頭の中のポカーーーーン状態は今でも忘れられない。
えーーーここで終わるの!?っていう。
劇場版「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」のラスト、9体のエヴァ量産機が空から降ってきて、この曲が流れたときの絶望感というか無情感。
どんな気持ちで続編を待てと!? 
封切日の新宿ミラノ座で見て、スクリーンの前には客席を撮影するカメラが置かれていたので、「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」の劇中で出てくるミラノ座のシーンには、その時の「ぽかーん」としている自分が映っているはずなんだけど、いまだ確認できず…。
期待を高めて見に行った劇場で、何とも言えないお預けを喰らった絶望感の象徴みたいな曲で、聴く度に不思議な気持ちのなるのだけど、思えばこの「お預け」状態が一番幸せな時間だったのかもしれないな…。


3曲目が「次回予告」
次回予告のバックで流れているお馴染みのBGM。
「来週もサービス、サービス」なやつ。
不勉強ながら、これに歌詞がついて高橋洋子が歌っているバージョンを知らなくて、たぶん初めて聞いた。
ボーカル付きと言えば劇場版の予告で歌詞がついているのがあるけど、これをジャズアレンジで歌ったってことでいいのかな? 
「予告」の曲は、たぶんエヴァ曲の中でもいちばん頻繁に耳にしたメロディのはずで、ボーカル付きも心地よく耳に残りました。


4曲目は「THANATOS」 演奏のみでボーカルは休憩
旧劇場版「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」の第25話「Air」のエンディングで流れた曲。
もともとはボーカルありの曲だけど、今回演奏されたのは、ボーカルなしのピアノメインのジャズセッション。
ボーカルありで聞き慣れていた曲だけど、原曲がよくわからなくなるくらいアレンジされていて、すごくかっちょよかった。

5曲目「アヴェ・マリア」
高橋洋子がステージにもどってきて、今度はバンドが休憩。
この曲、エヴァに関係なさそうだけど、高橋洋子の「AveMaria_2010」は、パチスロ・新世紀エヴァンゲリオンのテーマ曲「慟哭へのモノローグ」のカップリング曲で、編曲をエヴァの劇伴作曲でおなじみの鷺巣詩郎が担当しているので、一応うすく「エヴァ」関連曲だったりする。

6曲目「無限抱擁」 バンドがステージに戻って再びジャズモード
「イメージソングなので、知ってる人はあまりいないと思いますけど…」って言って歌い始めて、聞いていて、最初のうちはアレンジのせいか、聞いたことあるけど思い出せない、なんだっけこれ?状態だったんだけど、サビにきたら、あれ、なぜか歌えるぞこの曲、知ってる、知ってるって、なった。
でも最後まで何の曲だったっけ…って思い出せなくて…家に帰って調べました。
ああ!ゲーム「鋼鉄のガールフレンド2nd」のエンディングか!

ああ、懐かしい「鋼鉄のガールフレンド」!!PC版を買ったな〜。
2ndは本編とは関係ない恋愛アドベンチャーだった!!
そんなにやりこんだ記憶がないけど、歌を記憶してるくらいにはやったのか…ゲームに触発されてエンディングをCDで聞いていたか…。そのへんは覚えてない。
いずれにしろ懐かしい!鋼鉄のガールフレンド2ndは存在すら記憶から消えかけていた。
原曲よりスローなテンポで歌っていて、もともと歌謡曲感のあるメロディだけど、より懐かしみの増すアレンジだった。


しばしのトークを挟んでのお待ちかね
7曲目は「残酷な天使のテーゼ」 真打ち登場!
2020年の「アニメソング総選挙」国民13万がガチ投票で堂々たる1位を取った曲。

世代を問わず、アニソンというとこの曲という人が多いのだろう。
もはやアニソンの金字塔と言っていいのだろう。
うちの母親がやっているアニソンコーラスグループでもやはり一番盛り上がるのはこの曲だそうだ。

ジャズアレンジは初めて聞いたけど、これまた見事で、ドラムやバイオリンのソロパートもふんだんに盛り込まれて、かなりロングな曲になっていたのだけど、色んな楽器のソロパートでかなり原曲と違っているのに、それでも「残酷な天使のテーゼ」らしく聞こえるのは、ああベースが常に安定してリズムを刻んでいるからなのか〜とか、よく知ってる曲だからこそ気づける発見もあったりして、実に楽しいジャズアレンジだった。

最後はアンコールで2人の出会いの曲でもある
「FLY ME TO THE MOON」
テレビ版のエンディング曲。
ああ、これこれ!エヴァが終わる感じ。25年前、毎週、いや毎日聞いてたこのエンディング。
ライブの終わりにふさわしい感じで、とにかく気持ち良く、手のひらが痛くなるまで拍手していた。

「ジャズ楽しめるかな?」なんて思ってたけど、とんでもない満足感。
というか、ステキすぎる時間だった。

思いがけず、なんて言ったら失礼かもだけど、ほんと、ジャズのライブってこんなに楽しかったっけ?ってくらい楽しめたし、エヴァ好きの人には特にオススメのライブだった。
このステージ自体は今後の予定はないらしいけど、また機会があったらもう一度聴きに行きたい。

聴いている間、甘塩っぱい20代の記憶の断片がよみがえってきて、心臓の奥の方がほわーーっとなってきた。
ちょっとだけあの頃の気分にタイムスリップする感じだった。

で、終わってみて、自分でも意外なくらい「エヴァ熱」が高まっていて驚いた。
「ああ、やっぱ、エヴァ、好きかも」そんな気持ちがよみがえってきた。
来年公開の「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」。
そんなに盛り上がってなかったんだけど、急に気分が盛り上がってきた。
思いもよらなかったけど、このライブでエヴァ熱に火がついた。

そして週末はひたすらエヴァ漬けで過ごしてみた。
今まで見てなかったDVDのボーナスディスクとか、旧劇場版とかテレビ版を見て、熱を上げてきている。来月は新劇場版のリバイバルにも行こう。Qをもう一度見るのはしんどいけど…。がんばる。

放映開始時からの僕のエヴァに対する心の高まり度をグラフにすると何となくこんな感じ。

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適当に書いたので、かなりいいかげんだけど、上がったり下がったりして、旧劇場版「シト新生」の予告編から、劇場で本編を見て絶望したときが最高潮のもり上がりだった気がする。あの予告は今でも最高に好き。絵コンテの線画とテキストで組み合わされた予告編。「殺してやる、殺してやる」が画面を覆い尽くすヤツ。

あれから24年…。なんて大巨編なんだ。

完結まであとちょっと。

いまは、テレビ放映時の第六話、ヤシマ作戦の時くらいまでには、気持ちが盛り上がってきている。
正直、このライブに行くまで、まったく盛り上がってなかったけど、考えてみたら人生の一大イベントの一つじゃないか。
盛り上がらないでどうするよ!!
あと2ヵ月弱、どこまでアゲられるかわからないけど、目一杯アゲて最後の劇場版に挑もうと思います!!!


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