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わたしにとって写真展という特別

写真展が始まった。

20年目、20回目の写真展。
新宿のゴールデン街の写真バー「こどじ」で毎年開催しいる。

今年も例年通り8月16日に始まって、日曜は休みなので4日経ち、いまのところ3日お店に行っている。
4日中、3日間ゴールデン街で飲む。
なんだか昔の自分が戻ってきたみたい。
以前は写真展の期間中ウィークリーマンションを借りて2週間、毎日朝まで飲んでたこともあった。毎日が二日酔い!
あの頃は今ほど仕事が忙しくなかったからできたな。

今年は3日続けて飲んで、1日目は3時にタクシー帰宅。
他の日も電車とタクシーで1時半頃、帰宅。
さすがに連日深夜に家に帰るので、4時起きがつらい。
寝坊して6時頃、起きている。
4時起きでちょうどよく昼頃に終わるルーティーンを組んでるので、6時起きしてしまうと完全に1日の調子が狂う。
正直かなり肉体的にきつい。
でも楽しい。
いま、自分は毎日「特別な日」を過ごしている。
そんな気持ちで毎日を過ごしている。

まず写真展自体がわたしにとって特別なことだ。
1年に1回、写真を展示する。
展示に向けてものすごくいろいろなことを考える。
年に1回のこの時間は貴重だ。
でも写真展の「特別さ」は写真以外のことろにある。
「人と会うこと」だ。
わたしにとって写真展はなかなか会わない人たちと、年に一回会うための機会だ。

「こどじ」というお店も特別だ。
30年以上ずっと通い続けるこの店はわたしにとって言わばホームだ。
ここに青春の思い出はほとんど詰まっているし、ここでたくさんの人と知り合い、知たくさん仕事の話が生まれた。
本当に特別な場所と言っていい。

そしてこどじの店主「おねえさん」も特別な人だ。
昨日は、お店の店主である「おねえさん」の出勤日だったのでご挨拶にいってきた。
おねえさんとはもうかれこれ30年以上のお付き合い。
今年で88歳!?とのこと。
はじめて会ったときは50代だったと知って驚いた。
年をとったのはわかるけど、印象はじつはそれほど変わらない。
話し方も変わらない。
週に1度だけど、今も現役でお店に立っている。
ゴールデン街の2階の店で、あのキツい階段を自力で登っている。
鎌倉から通ってきている。
「お店があるから、おしゃべり好きだから、元気なのよ」
そう言いながら、常連客が注文するものはすべて記憶していて、お客が入ってくると「○○さんはいつも梅酒よね」と言って、注文を聞かずとも飲み物が出される。
以前は一度だけ飲みに来た客の名前や職業までしっかり覚えていて、その記憶力に驚かされた。
外国人のお客さんも多くて、英語はできないのにお互いバラバラの言語で会話してきちんとコミュニケーションがとれる特殊の能力もある。
その姿を見るにつけ仙人のようだと思ったりする。
明るくて、人を褒めるのが上手で、でも毒舌で、嫌いなものには容赦なく、笑顔で「もう二度とこないでねー」って言ったりもする、けど必ずその人はまた店を訪れる。
なんとも魅力にあふれた人で、おねえさんに会うためにわたしは「こどじ」という店に35年通っていると言っていい。
昨日は写真展をやらせてもらっているお礼に、おねえさんになにか手土産をと思って行き道に買い物をした。
移動で邪魔にならなものがいいだろう思って紅茶を買うことにした。
デパートの高級紅茶屋で、紅茶を探した。
見ると小分けの少量のパックで10杯ほどしか飲めない茶葉が3000円以上の値段で売られているのを見つけた。
それだけが異様に高い。
となりにおいてある同じパッケージの紅茶と比べても値段が倍ほど違う。
理由を聞くと、満月の日に摘んだ茶葉で特別なのだという。
その満月の特別が何なのかはわからないけど、特別な方を買った。
渡すときに「その一言を添えられる」ことがきっとこの「特別」の意味なんだろうなと、なんとなく思った。

特別なんてその程度のことかもしれない。
特別な日に、特別な人に、特別なものをプレゼントする。
何でもない特別をいま生きている。

去年はこの時期に母が入院したり、施設に入居したり、その関係で人と接触ができない状態で、写真展中もあまりお店にも顔を出せなかった。
今年もそんなに状況は変わらないけど出来る限りはお店に行こうと思ってる。
今のところ、24日、29日、31日はお店にいる予定。

他の日も仕事の調整がつけばなんとか行きたいと思ってます!
よろしかったらビール飲みついでにいらしてください!


■新八写真展 『どこまでも』20回目
■展示日程 2023年8月16日(水)~8月31日(木)

■場所:新宿ゴールデン街 「こどじ」(地図
     営業時間/19時~24時(日によっては早く閉まります) 
      新宿区歌舞伎町1-1-9 2F 
     TEL:03-3205-1373

案内はこちら http://shimpachi.sakura.ne.jp/photo/indexph20.html


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