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【脳科学】ツボが持つ脳への効き目

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世界的にも鍼灸の論文が主に中国を中心にかなり増えてきており、中には脳への影響に関して研究した論文も多くなってきているので今回は鍼灸×脳科学という観点でご説明していきたいと思います。

人間のツボの数は700個程度あるといわれている

世界保健機関(WHO)ではツボの数を361個ということで公表していますが、新しいツボは日々発見されていき、鍼灸師たちの中では700個近くあるという見解が多いようです。

700個というと、体のどこを押しても何かしらのツボになりそうな気がしますが、ツボは単一のポイントではなく最適な組み合わせによって効果を最大発揮するということが証明されています。*1

脳卒中による後遺症の治療法として評価されている鍼治療

近年、鍼刺激は中枢神経障害の予防効果や治療の効果が期待できる方法として脳卒中による感覚麻痺のリハビリなどでも積極的に活用されるようになってきました。

世界保健機関(WHO)でも鍼灸は脳梗塞/脳出血の後遺症への適用性があるという風に評価しているほどです。

下の画像は、感覚麻痺の改善スピードを向上するためのツボとしてよく使用される部位になります。それぞれ以下のような効き目の期待があるようです。

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◆天柱と風池・・・血流促進、脳卒中の再発防止に
◆足三里・・・自己免疫力を高める、背屈運動を促す
◆合谷・・・緊張を抑える、痙縮のためのケアに
◆太衝・・・全身の緊張を抑える、痙縮のためのケアに
◆中府・・・姿勢と呼吸を整える、筋肉へのアプローチ
◆八風・・・足の血流改善
#脳梗塞リハビリセンターより参考
https://noureha.com/news/rehacenknowledge_tsubo7/

脳の血流を良くしてあげる鍼灸治療

大脳皮質や海馬が血流不足によって死滅するという現象がありますが、鍼灸は刺激により前脳基底部(呼吸など体の生理機能などを司る部分、脳の結構深い部分)のコリン性作動神経を介して大脳皮質や海馬の血流量を増加させたという結果*2もあります。

また、中国の論文でツボが脳を活性化させるという研究がありました。

興味をもち詳しく見てみると、どうやらST36(=⾜三里)とGB34(=陽陵泉)の部位を⼀緒に使⽤すると、脳活動が広範囲にわたって活発化するというものでした。

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面白いのはひとつのツボだけではなく、二つのツボを同時に押すことでより効果が最大化されるということが非常に興味深いです。*3 

ハンドマッサージも効果があるのか?

今回、鍼灸を中心とした記事になってしまいましたが、ハンドマッサージも脳活動にどのように効果があるのかどうかについては引き続き調査をしていきます。

--------------------------以下参考文献-------------------------------
1: F. Gao, H.-M. Sheng, T.-N. Zhang, S.-B. Wu, J. Cao, and M.-Q. Zhou, “Efect of Manual Acupuncture Stimulation of Single Acupoint or Acupoints Combination on Intestinal Movement in Slow Transit Constipation Mice,” Zhen Ci Yan Jiu, vol. 42, no.1, pp. 62–66, 2017

2: https://ci.nii.ac.jp/naid/10031188474/

3: L. Liu, Y. Wu, J. Zheng et al., “Cerebral activation efects of acupuncture using Zusanli (ST36) and Yanglingquan (GB34) points based on Regional Homogeneity indices: A resting-state fMRI study,” Journal of X-Ray Science and Technology, vol. 24, no. 2, pp. 297–308, 2016.


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