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『イライラしたらろうそくを』#ショートショート

 無性にイライラするときがある。
 
 自分の場合は「二度手間」である。
 
 例えば、飲み物を持ってくるためにイスを立つ。戻ってきてイスに座る。その瞬間、ふいに尿意を催して、再びイスを立ち、トイレに向かう。

 このようなことである。

 飲み物を持ってくるついでにトイレへ寄れば、立ったり座ったりする行動は1セット節約できたはずである。

 要は、めんどくさがりなのだ。

 上記の例は生理現象による二度手間だからまだ許せるが、これが人為的なミスによる二度手間だった場合、人体の穴という穴から血が噴き出すほどのストレスである。

 いじめや不倫、離職などの原因が人間関係の不和であることからも、多くの人間が人間によってイライラしていることは間違いない。

 じゃあ、どうすればよいか。

 「ろうそく」である。

 暖色系の優しい明るさ、火が持つ本来の温もり、アロマの優雅な香り。

 副交感神経を優位にするための条件が、ろうそくには備わっている。

 今夜はろうそくを灯そう。

 癒やされても、またすぐにイラつくであろう。

 そしたら、何度でも灯しつづければよい。

 

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