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高校球児はもう坊主じゃないーー髪型の自由化とチーム戦略の関係

今回は高校球児の髪型について書こうと思います。高校球児の髪型といえば・・・そう!

『 坊 主 』

ですが、ここ最近球児の「髪型自由化」の流れが加速しています。そこで「髪型自由化」を採用した5つの高校を紹介したいと思います。

【事例1】成田国際高校

まずは、丸刈りやめちゃいました!成田国際高校

(成田国際空港に響きが似てる)

髪型の自由化を導入した目的は
・部員の確保
・自由で楽しい部活動の実現

の2点。

丸刈りが嫌で野球部入部を断念する子、少なくないんですね。また、こちらの高校では日々の練習や反省をまとめたりする「野球日誌」をスマホのアプリで記録。練習メニューは選手自らが考え、YouTubeの動画を参考にしたりもするらしいです。

監督さんのインタビューで印象的なのは

「この子たちがいなかったら監督はできないし、部活も伝統も途切れてしまうじゃないですか」

誰のための高校野球なのか、という一番大切な思想がこの発言に集約されていると感じました。

【事例2】新潟明訓高校

2校目は新潟明訓高校。春夏の甲子園に合計8回出場している強豪校です。

こちらの高校が「脱・丸刈り」を選んだ理由は、野球人口の減少を阻止するためです。

実際取り入れると副次的な効果として、選手たちがより礼儀正しくなったそうです。外見だけで野球部員ということがわからなくなったからこそ、さらに徹底しようという気持ちが芽生えたようです。

野球部らしい外見、ではなく野球部らしい行動を意識するようになったということで、それが今後プレーにどう影響が出てくるかー。新潟明訓高校の今後の活躍に期待したいと思いました。

【事例3】花巻東高校

3校目はメジャーリーガーの大谷選手や菊池雄星選手を輩出した花巻東高校。今年も甲子園出場を決めた強豪校です。

2018年8月に監督からの提言で丸刈りの強制を廃止しました。その目的は野球人口の減少に歯止めをかけるためです。

しかし、選手たちはその意味を考え、自分達の野球にどうつながるかを考えていました。

「言われたことだけやっても勝てない。自分たちで髪形を考えれば個人で責任も生まれるし、それが野球にもつながると思う」(花巻東・金沢選手)

今年の予選では、花巻東の選手たちは思い思いの髪型で白球を追いかけていました。そして、甲子園出場。「長髪だと弱い」という偏見を見事に払拭していました。

【事例4】東京農業大学第二高校

3校目は選手の提案により髪型が自由化になった群馬の強豪校、東京農業大学第二高校です。

群馬といえば、甲子園初出場にして優勝した前橋育英、"機動破壊"の代名詞で知られている健大高崎、常連校として全国的にも知名度が高い桐生第一など、たくさんの強豪校が乱立している、全国屈指の激戦区です。

そんな群馬で春3度、夏5度の甲子園出場経験がある東農大二は、選手からの提案で髪型自由化を取り入れたそうです。

その目的は「選手に主体性を持たせる」ため。2009年夏を最後に甲子園から遠ざかっていた同校が、県内の強豪校に勝つために課題の一つとして挙げたのが「主体性」だったのです。

捕手の小野沢くんはインタビューのなかでこう話しています。

「おしゃれをしたいからではないです。自分で考え、各自が役割を果たすのが僕らのスタイル。頭髪自由化はその象徴です」

野球部のスタイルを貫いた結果、髪型自由化の導入に至ったということです。東農大二の「主体性」を尊重した野球が甲子園で見れるのも遠くはないかもしれません。

【事例5】光泉高校

最後の高校は滋賀の光泉高校です。第101回の大会で、滋賀予選の決勝まで進み、惜しくも近江高校に負けてしまい準優勝となった強豪校です。

こちらの高校は公式Twitterアカウントを開設しており、大会前後に関わらずプロ野球選手のトレーニング動画をシェアしたり、試合のMVPを紹介するツイートをしたりしています。

夏の大会が終わり、2020年の新チームが始動しているということで、方針&変革に3つの事項を上げていました。

そのなかにあったのが、③「全員坊主」はやめますという項目です。そしてその目的は東農大二と同じく、「選手に主体性を持たせる」ためでした。

特に光泉高校の場合はメディアの取材記事ではないので、詳しくはわからないのですが、近江や滋賀学園、彦根東という強豪校に勝って甲子園に行くために足りないもの、強化したいものを考えた結果なのかと思います。

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このように各校の野球部内では目的をもって髪型の自由化を取り入れていて、100回記念や令和という節目もあり、その動きは全国に広がっています。

坊主は
「時代に即さないから」
「ダサいから」
だと感覚的なもので定着しにくいですが、「試合に勝つ」という共通の目標のために導入するとなると、理解もされやすいしチーム全体に浸透しやすかったのではと思います。

伝統的なルールから脱却して、高校野球も個の時代に突入したと感じました。

最後まで読んでいただきありがとうございました⚾️

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