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FAQとAIについてのよくある勘違い

今回は、AI導入には、AI以外に大切なことがあります、という話です。

カスタマーサポートの現場で目にする、失敗する『FAQ改善』のはじまり

弊社にも下記のような相談を受けるケースがよくあります。

FAQの更新やアップデートを実施していくことはできないが、AIを導入することで、FAQをより良くしていきたい

『AIを導入するだけで、今よりよくなる!』わけではありませんので、一度、落ち着いて考える必要があります。

※FAQ=本記事の場合、構造化されたページだけでなく、FAQ型のチャットボットも含んだ文脈で書いています

FAQ改善に必要な視点とは?

問題に遭遇したカスタマーに対して、スムーズなFAQ体験を提案するには、(1)問題に対する回答へのたどり着きやすさ、と、(2)回答そのものがわかりやすいかどうか、の2つの視点が重要になってきます。

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AIがメインで活躍できるポイントは、(1)問題に対する回答へのたどり着きやすさ、が主戦場になります。

逆に、それ以外は、人間の企画力・運営改善力がものをいいます。そして、質のいいFAQ体験の提案には、AI以外のところのほうが重要です。

ECに例えると、

(1)問題に対する回答へのたどり着きやすさ=サイトのUI
(2)回答そのものがわかりやすい=売っている商品

というような位置づけになります。どちらも重要ですが、(2)のほうがより重要なことはご理解いただけると思います。

8割の現場で、大切なことが見落とされている?

質の高いFAQ体験は、

見つかりやすさ × 回答のわかりやすさ

のシンプルな構図で成り立ちます。

そして、AIに関しては、主に『見つかりやすさ』の一部の課題に対して、有効な解決策となるケースとなります。

他の課題に対しては、AIは活用はできても(例えば、回答クリエイティブの制作サポートなど)、最優先の解決策になることは少なく、人間の力量が試されるところだと思います。

さらに、現場で様々な企業様と接している中で、『今あるFAQ体験を改善する』というテーマに対しての課題の洗い出しをしていくと、結果的に『よくある問い合わせの整理』『わかりやすい回答の構造化、クリエイティブ作成』が最優先課題となるケースが多いと感じています。

印象としては8割くらいの企業はそうではないかな?と思います。

この課題の洗い出しをせずに、『運用の手間をかけずに、AI導入でFAQ改善』という解決策に突き進むと、どうなるでしょうか・・・?

『検索性能はいいが、ゴミばかりヒットしてしまうFAQ』が出来上がってしまうかもしれません。

FAQの中身の改善が進んでいる場合は、AI活用の効果はかなり期待できる

FAQの中身の大切さを強調してきましたが、FAQの改善が進んでいる場合は『検索性能がいい』ということはかなり顧客体験に影響を与えます。

しかも、旧来のFAQサービスは検索性能が10年前くらいの技術と大差なかったりするので、AI活用でかなり改善できるケースが多いです。

しかし、顧客体験全体の視点から見ると、あくまでFAQの中身の改善がまわっていることが前提となります。

まとめ

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いかがでしたでしょうか。

自社のFAQの状況が、『FAQの回答の改善』に集中するフェーズなのか、『FAQの検索性能の改善』に集中するフェーズなのか、しっかりと課題を見極めた上で、顧客体験の向上に努めていきましょう。


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