室内楽の練習の仕方
質問箱にこのようなメッセージが届きました。
基本の練習方法はソロの時と同じ!
・ソロの時
声部ごと(片手ずつ)に分けて練習しますよね。音楽的に弾くことのコツは "歌として感じること" なので、その声部を心から歌って頭に入れることが大前提。
そして、声部一つ一つには1人の人間が命をかけて歌ってると思ってください。
そうすれば、命のこもってない音を出している時にちゃんと気づけます。
で、声部を人間だと仮定すると、
声部(三声なら、Aさん・Bさん・Cさん)たちが自分の家で他の奏者のことを考えながら練習してくるわけです。
具体的に言うと、
Aさんは、BさんとCさんが歌うメロディーを頭に思い浮かべながら自分のメロディーを歌うんだよね。練習の時から。
それをしないと、
縦の線はもちろん、ハーモニーの色や音楽のテンションなど、音楽的に合わせることが難しくなります。
そして、その合わせの時間はかなり無駄になります。
(人として成長していきたいなら、「他人の時間を無駄に奪わない」ってのが重要。自分で出来ることは最大限やっていく努力をしよう。)
会話でも、相手の言ってることを全く聞かずに自分の喋りたいことをずっと喋っていたら会話が成り立たないのと同じで、
相手の喋っていることを聞いて、理解しての会話ですよね。
もうこれってさ、室内楽だと思いませんか?
そう、ピアノ・ソロの練習って、一人で出来る室内楽なんです。
この感覚を持ってない人が結構多い印象があります。
一つ一つの声部には魂が宿ってるってこと。
ピアノは音が弾けてしまうから、逆に難しいんですよね。
音楽的に弾けなくなってしまう。
さて、話が少し逸れましたが、
ここまで書いたら室内楽は普段のソロの練習の拡大版(より複雑なもの)だということがわかると思います。
相手の楽器を頭で鳴らしながら一人で練習してみてください。
室内楽の人数が増えれば増えるほど難しくなるけど、やる価値はあります。
歌曲だったら、歌詞の単語の意味を調べてピアノの演奏にそれがどう表現されているのかちゃんと考えてみて。
ソルフェージュ能力は必須なんだけど、
ソルフェージュって楽譜に書いてあることを音楽的に感じることが出来る能力のことなので、
「勉強めんどくさいなぁ」とか思わずに、
自分がどう音楽を感じるかってことを深く追求してみてください。
自分でわからなくなってきた時は、他人の知識を得るためにお金を使って本を買ったりレッスンを受けてみて。
好きなことのために「時間×金×集中力」使ってる時の人生の充実度は半端じゃないので「時間×金×集中力」を自分の出来る範囲で使って欲しい。
(私は学生時代に、本を読むのとコンサートを聴くためにお金を使いすぎて、ろくにご飯食べてなかった時期があるけど、それは真似しないでね。笑)
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