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早くも続編製作決定!『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』は上質ミステリー映画だ。

ナイブスアウトポスタービジュアル

2020年1月31日に公開された『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』が日本で好評を博している。1月31日~2月2日までの初日3日間での観客動員は70,145人、週末興行は8950万6,900円とヒット発進。Filmarksの公開初日満足度では見事No.1を獲得している。
本国でも、昨年の11/27(水)に公開され、実写第1位で発進し、世界中で約3億ドル近い興行収入を記録。アカデミー賞では脚本賞ノミネートという快挙を果たすなど、世界中で人気であることが伺える。筆者も、先日、TOHOシネマズ新宿で観てきたが、大変面白かった。その面白さの秘密を筆者なりに考えて観たので記しておく。

【フーダニット×ツイストを効かせた脚本がお見事!】

今作の監督は『LOOPER ルーパー』(2013年)、『スターウォーズ 最後のジェダイ』(2017年)のライアン・ジョンソン監督。筆者は、長編デビュー作の『BRICK ブリック』(2005年)から、上記の2本含めた3本を観ているが、どの作品にも共通しているのは、脚本が凝っているという点。
『BRICK ブリック』(2005年)は、ハイスクールを舞台にしたハードボイルドモノであったし、『LOOPER ルーパー』(2013年)はその舞台設定も中盤からの展開も捻りをきかせている。
『スターウォーズ 最後のジェダイ』(2017年)は言わずもがな。世界中で賛否両論を巻き起こした。

ブリック①

そして今作、珍しいのは「フーダニット(誰が殺したか)」というミステリーの正統派な枠組みを、オリジナル脚本で行っていること。
近年の映画業界において、割とトリッキーなアプローチのサスペンスやミステリーが、公開されるのに対し、正統派ミステリーに挑戦している事。しかもオリエント急行殺人事件(2017年)などのリメイクではなく、オリジナル脚本で、このスケールを撮っている事は、本当珍しいんじゃないだろうか。

ナイブスアウト④

ライアン・ジョンソン監督は、このフーダニットを軸に、ツイストを効かせて、一筋縄ではいかない物語に仕上げている。観る者は、予想もつかない展開に翻弄される事間違いなしだろう。
また、ネタバレに触れるので明かせはしないが、現代に通じるテーマを物語の軸に盛り込んでる所も、この映画を語るうえで重要な点の一つといえるだろう。

ナイブスアウト⑥

個人的には、ライアン・ジョンソン監督、こんな要素も取り入れるんだなと感心した。ラストのワンカットは素晴らしいの一言に尽きる。

【豪華キャスト勢ぞろい、敢えての配役が映画ファンには楽しい】

 今作の魅力の一つは、豪華キャスト勢揃いということ
『007』シリーズのダニエル・クレイグに、キャプテンアメリカ役で、世界的に有名なクリス・エヴァンス。ヒロインには『ブレードランナー2049』で日本でも注目を浴びたアナ・デ・アルマス。一癖も二癖もある家族には、『シャイプ・オブ・ウォーター』(2017年)のマイケル・シャノン、『ヘレディタリー/継承』(2018年)以来、顔を見るとギョッとしてしまうトニ・コレット、『IT/イット』(2017年)の主人公ビルを演じたジェイデン・マーテル。往年の名優、クリストファー・プラマーなど、本当に豪華な顔ぶれが揃っている。

ナイブスアウト①

ライアン・ジョンソン監督が面白いところは、これらのキャストに、敢えて普段のイメージとは異なる役柄を配していること。
例えば、ダニエル・クレイグは、007シリーズのスタイリッシュなスパイ役で知られているが、今作はそのイメージとは真逆のおとぼけ探偵(しかし実は切れ者?)を演じている。またクリス・エヴァンスは、完全にヒーロー役のイメージがついてると思うが、今作はそれを覆すようなクソ野郎を演じてるのが面白い。
こうした役者の印象とは敢えて違う役を演じさせていたことが面白い。

ナイブスアウト③

他にも、館の内装から登場人物の衣装まで凝ってるのも、この映画の雰囲気を盛り上げてる。
脚本だけじゃなく、舞台セット含め全体的にとてもまとまった作りの作品となっている印象を受けた。

そして、今作、早くも続編の製作が決定したことを配給会社が発表した。

ナイブスアウト②

ダニエル探偵は次はどんな事件に挑むのか?今から早くも楽しみだ。

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