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【現代のおとぎ話の中へ】映画『ゴンドラ』感想【東京国際映画祭】

東京国際映画祭5本目に観たのは映画『ゴンドラ』
『ツバル TUVALU』、『世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方』で知られるファイト・ヘルマー監督の最新作。

実は監督の前作『ブラ!ブラ!ブラ! 胸いっぱいの愛を』を観たのも2018年の東京国際映画祭でのこと。そのため今回の東京国際映画祭でも密かに気になっていた作品だった。

期せずして今回の旅行(下記参照)で最後に観たのはこの作品だったが最後に観て良かった。自分の東京国際映画祭の旅を締めくくるに良い作品だった。

ヒューマントラストシネマ有楽町にて。このビジュアルも良いよね。

内容はポスターやスチール写真などのイメージ通り。
まさに「現代のおとぎ話」といった雰囲気で、シュールさと優しさが同居した世界に癒された。

物語の舞台はジョージアの山岳地帯。
ロープウェイ場で働く2人の女性と村の人々の交流が描かれる。

ファイト・ヘルマー監督の作品の特徴といえば「無声映画」ということが挙げられるだろう。
代表作の『ツバル TUVALU』や前作の『ブラ!ブラ!ブラ! 胸いっぱいの愛を』も台詞はない。そして本作も台詞のない映画となっている。台詞がないがその分もあらすじも分かりやすい。

もう一つの特徴は「優しい世界」。シュールではあるがどこか牧歌的で絵本のような世界。こういう世界観だからこそ、大人だけでなく小さい子供でも楽しめるというのがファイト・ヘルマー作品の素敵なところだと思う。

本当子供のイタズラのような仕掛けが沢山。

そんな今作の主役はほぼゴンドラ。
恐らくこれだけゴンドラで遊んだ映画は今後出てこないだろう
(この映画に関しては「遊び」と表現したい)。子供のイタズラのようにゴンドラという玩具で遊びまくっている。次々と変わるゴンドラの様子に驚いたり笑ったりすることだろう。

2人女性の恋愛(友情)模様も微笑ましいし意地悪な上司(普通に法律に抵触することやってる)や村の人々も良い味を出している。
2日間の旅行で疲れた身体に染み入る良い作品だった。

この一連の場面は色彩含めて凄く好き。

ファイト・ヘルマー監督の前作は劇場公開されてるので今回も劇場公開されると期待したい。



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