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アニメ版『チェンソーマン』賛か否か?【アニメ感想】

先日、といっても去年の話になるが、アニメ『チェンソーマン』が最終回を迎えた。

『チェンソーマン』はここ最近で最もハマった漫画だ。
その漫画のアニメ化ということで、放送前から楽しみにしていたし、放送中は毎週リアタイ視聴するほど熱中して観ていた。

自分は普段アニメをそこまで観ない方なので、こうしたことはけっこう珍しい。
なので年はまたいでしまったが、アニメを見終わった感想を残しておきたいと思い記事にまとめた次第だ。

コラボレーショングッズを購入するくらいにはハマっている。見て分かる通りパワー推し

感想を語る前にアニメ版『チェンソーマン』の評判について触れておきたい。
実はアニメ版『チェンソーマン』の感想は賛否両論となっている。
なぜ賛否分かれてるのか?

最も大きな理由として原作ファンと作り手の解釈違いが挙げられるだろう。

アニメ『チェンソーマン』を手掛けたのは『呪術廻戦』、『BANANA FISH』などのアニメ作品で知られるアニメ制作会社MAPPA
監督はアニメ『呪術廻戦』で絵コンテ・演出、映画『劇場版 呪術廻戦0』で原画を担当した中山竜。中山監督は『チェンソーマン』が初監督となる。

プロデューサーの瀬下恵介氏によると、原作が今までのジャンプ作品とは異なる色を持っていたため、アニメも「型を持たない新しい人」にディレクションさせたいという意図を込め、中山氏を監督に抜擢したらしい。

その中山監督のインタビューを読むと、アニメ化するにあたって原作から写実的、映画的な要素を取り入れたと語っている。
つまり、アニメ版『チェンソーマン』には実写映画的な演出がされている。この演出に対し否定的な声が挙がっているのだ。

多数の名作映画オマージュしたオープニングからも映画を意識してることがよく分かる

否定的な意見として主に見られたのは以下2点

・アニメーション演出

・声優への演技指導

演出に関してよく見られる意見は構図の改変。
例えば、漫画だと寄りで描かれていた場面がアニメだと引き画になっている。
こうした演出で、漫画にあった勢いが失われているというものだ。

特に『チェンソーマン』は構図の格好良さが特徴的な漫画でもあるので、否定的な意見には必ずといっていいほど、構図のことが触れられている。

次に声優への演技指導について。こちらは声優陣や監督のインタビューなどから、敢えて「アニメ的ではなくドラマを意識した発声」に変えたと

こうした演出に関しても「ぼそぼそ言って何を言っているか聞き取れない」、「ギャグの勢いが失われた」という声が見られた。

このような否定的意見も目立つチェンソーマン。一部では、再アニメ化を求める署名活動も行われていた。裏を返せば、それだけ熱狂的なファンに支えられてる漫画ということが言えるだろう。

こうした不満を踏まえた上での筆者の感想だが、筆者はアニメ化に関して概ね満足している

そもそも自分は原作と映像化作品は別物で良いというスタンスだ。漫画はその性質上、どこまで忠実に映像化しても別物にしかなりえない。

なので、アニメにしろ実写映画にしろ、手を加えるなら忠実なものより作り手の解釈するものが観たいと考える。

忠実に再現したものが嫌いな訳ではない。ジョジョのアニメシリーズの再現度は凄いと思う(ただ、スタンド能力が分かりにくくなる7部以降はどうアニメ化するか気になるが…)

そもそもチェンソーマンの画は写実的だ(いわゆるギャク絵やデフォルメされてない)。だからアニメ製作陣が写実的演出へ舵をきったというのことも納得できる。

より写実的になった『チェンソーマン』はこんな雰囲気なんだなという感じで見ていた。

ただ、否定する人の意見も分かる。自分も「概ね」と答えた通り、全てに満足してる訳ではない。

アニメ演出に関して「こう解釈したのか~」と期待を削がれた箇所はいくつかある(もっと迫力が出せるんじゃないか、ギャグパートはもっと面白くできたんじゃないかと)。

しかし、それも「映画的演出」という解釈で捉えるなら許容範囲と思ったし、最後までこの演出方針を貫いたのも良かった(個人的に視聴者の声で作り手側がぶれるのが一番マズイと思うので)

全体的に突き抜けたものは感じなかったが、今回のアニメは序章という感じで良かったのではないだろうか。

未来の悪魔の「未来最高!」は思ってたのとは違ったけど映画的に解釈するなら分かる。

今、気になっているのは今後の展望についてだ。
このまま問題が無ければ、アニメ2期でレゼ編をやってくれると思うのだが、レゼ編をアニメ化するなら、むしろ今回の映画的演出を貫いて欲しい。

今作のアニメで目立ったのが、デンジを巡る「性」の描写だ。姫野先輩の下りもそうだが、正直、漫画より生々しい。それこそ邦画の青春映画のような雰囲気も感じた。

この場面もヤバかった。『チェンソーマン』って『鬼滅』とは違い、家族で見るの気まずい作品だよね…

このしっとりした感触と色気を感じさせる演出は「恋愛」に重きを置いたレゼ編にこそ合うと思う。

だからこそ、今回の批判を全面に受けて監督や演出を変えるなどなければいいが…
何にせよ、アニメ第2期に期待したい!

【2月6日追記】

先日、チェンソーマンのDVDが発売されたが、売り上げが芳しくないとのニュースが挙がっている(初週で約1700枚。ちなみに『ぼっち・ざ・ろっく!』は約2万5千枚)

これはどうあれ続編に影響を及ぼすだろうと思われる。個人的にこのまま突き進んで欲しいが、会社的にはどうだろうか。

【12月18日更新】

遂に『チェンソーマン レゼ篇』の制作が発表されたぞ!
TVアニメシリーズと違い今作は劇場版。現時点で公開時期は未定だが楽しみ!!

【ティザーPV】


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