映画の感想を相手に合わせた事ってある?【映画あるある】
付き合いたての恋人と映画を観て感想を語るとき、ついつい相手を気にしてお互いに感想が探りがちになってしまう…
こんな経験したことはないだろうか?
恋人に限らず友達と映画に行くときにもこういう事は起こりがちだ。
自分と相手の意見が違ったら気まずいな、どうしようと気にしてしまう…
気心の知れた相手ならまだしも、付き合い立ての相手とは、心の壁を作りたくはないという気持ちがあるものだ。
自分はこういう時「映画どうだった?」と先に探りをいれて相手の出方を伺ってしまう。
そして相手と反対の感想にしたくないため、自分の本当の気持ちを曲げる時もある。
何故こんな話を述べたかというと、実際にこんな体験をしたことがあるからだ。
前置きが長くなったがこの記事ではそのことについて語りたい。
今から3年ほど前のこと。年下の女の子とデートしたことがあった。
自分がデート候補に挙げたのは映画観賞。映画好きらしいチョイスだが、その子は特に映画好きという訳でもなかった。
「何の映画が観たい?」と聞いて、返ってきた答えは「オオカミ少女と黒王子」という作品だった。
「なるほど…」作品名を聞いた時、正直自分は固まった。
なぜなら、その映画は「キラキラ映画」と呼ばれるジャンルの作品だったからだ。
キラキラ映画とは、中高生をメインターゲットにした恋愛映画のことだ。
少女漫画が原作のことが多く、旬の人気アイドルなどがキャスティングされている。
キャストの演技が稚拙、ワンパターンな展開、有り得ないシチュエーション等、映画好き(特にシネフィル)からは、からかい・批判の対象になりやすい。
自分もキラキラ映画は観ないジャンルだ。というか当時はむしろ馬鹿にしていた。
正直自分では選ばない映画だ。
しかし、普段映画を観ない彼女がわざわざ観たいといった作品。
それに難色を示すのはあり得ない。ということで一緒に映画を見に行った。
場所は109シネマズ名古屋。
土日だったこともあって、場内は満席に近く中高生と思われる子たちが客層の多くを占めていた。山崎賢人のファンらしき男子中学生の集団がいたことが印象に残っている。
そして映画が始まった。
結論から言うと、映画は予想以上に楽しかった。
主演の二階堂ふみの演技は流石で安定感があるしドラマ自体も面白かった。「今夜はブギー・バック」を歌う場面はエモかった。
今にして思うと「キラキラ映画」だからと言って馬鹿にしてた自分はその何倍も馬鹿だったと思う。
どんな映画であれ観る人を感動させてるならそれで良い。ただ、当時の自分はそのことが分かってなかった。
「思ったより良かったな~」と思いながら隣を見ると、彼女は前を向いたまま。「あれ、もしかして合わなかったかな?」と思ってると、こちらを振り向きキラキラした目で。
「面白かったですね!これぞまさに映画ですね!!」と。
俺は固まった。
確かに良い映画だとは思ったけど「これぞ映画」っていうほどハマっていたとは。自分はそんなこと1mmだって思っていない。
「まあまだだったね」と言おうと思って言葉を飲み込んだ。そう言うと相手の子の気分を下げそうだな、しかし自分に嘘はつきたくない…
でもさ、彼女ものすごく純真無垢な眼でこっちを見ているんだぜ。
だから俺も「うん、そうだね。これぞ映画だね」って。
人生には、自分の意見を押し曲げた方が物事が上手くいく時がある。
ちなみにその子とはそれ以上関係が発展することもなかった。今となっては懐かしい思い出だ。
※普通に面白かった。二階堂ふみの芸達者さはさすが。
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