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小さなコミュニティーから始めてみよう

ネットでもリアルでも構わない。まずは考えていること、疑問に思っていることを発信することから始めてみます。「共感できる仲間」が集える場を築きたい。本業は映像制作ですが、地方創生や社会課題に関心があります。 また、建築や映画、音楽や料理も大好きです。さて、本日は・・・

①「自分の中にある矛盾」

②「あったらいいな」

というテーマから今日は①について書きます(これは他の方の意見もぜひ聞いてみたい)。すぐに答えが出ないものですが、例えば「ラグジュアリーな温泉宿を提供するサービス」で考えてみます。

建物や内装がすっごく洗練されて快適。照明、空調、接客もパーフェクト。料理や盛り付けだって素晴らしい。そして価格は一泊10万円〜だった場合。   実際に利用するお客さんはどんな人なんだろう?新型コロナが少し落ち着いてきたので旅行する人も以前より増えてきた。とは言え日本経済は未だ出口の見えない暗いトンネルの中にいて、失業者も多い。          ちなみに日本の平均給与(年間)は男性で540万円、女性で296万円。

これはあくまでも平均値ですが、1泊10万円以上の宿にポンとお金を出せる人は実際そう多くはないはず。経営者からしたら事業計画の段階で客層を イメージしていると思うのです。例えば「年収は1000万以上あって家族や パートナーがいる。趣味や文化・教養に投資できる人」みたいな。      でも、多くの人は毎月カツカツ状態で余剰資金なんてないのでは・・・?「デザインやサービスが優れている=高価格」になるのは理解できます。(そこを否定しているわけではありません)若者が必死に貯金して「最高のおもてなし」を体験するのは自己投資になるとも思う。ただ、残念ながら洗練された良いものを恒常的に得られる人は限られている。・・・・そこ! そう、そこに僕の心はキリキリし始めるのです。 

A「広くあまねくこの宿の素晴らしさを体験してほしい(理想)」     B「でもめっちゃ儲かりたい(経営者の本心)」                       C「客単価を上げるが、もちろん満足度も高める(現実)」         この3つがぐるんぐるんしてしまうのです。これはあくまでも宿を例にしただけですが、他に事例はいくらでもある。

高価値の商品やサービスを多くの人に提供しつつ、儲かる仕組みについて考えるとぶち当たるのが「値段を決めるのは誰か」という問いです。価値に見合った価格とは?そもそも価値の物差しは誰に合わせる?もうカオスです。難しすぎます。冒頭、僕の本業は映像制作と書きました。

会社員として当然ながら利益をいかに出すかが求めらます。テレビ番組の制作費は年々下がっていく中で、効率よく次から次に作り続けないと給料が払えなくなります。予算に応じて作るビジネスモデルだからです。

先に作品を作って、これを高く買ってもらうのがいいと思いますが、売れる保証がないものを会社はGOするわけがありません。映像制作の場合、価値基準の一つは「多くの人にみられる」ことがあります。一方、「面白い」や「感動」は主観的なものなので雛形を作ることはできません。4年前の爆発的ヒット作「カメ止め」は制作費300万円ですが興行収入は31億円超に。

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でも単純に「なーんだ面白い映画は300万円でできるんだ」とはなりません。確かに結果的にこの映画は大成功しましたが、非常にレアケースです。スタッフや出演者のギャラ、機材、ロケ場所の利用代金などを考慮すると、300万円という金額で製作者は生きていけません。というか続きません。 これを足がかりに大きなバジェットに取り組めるから生活できるのです。

話が逸れました。価値と値段の定め方、価値の基準をどう設計するか。  全てのサービスや事業に共通するものではないと思いますが、現段階の自分の考えは「価値」は希少性と受け取り手の数で変動する。「値段」は相対的に決められる。そこは冷静に客観的にジャッジする必要があります。   自分では100万円の価値があると思っても周りに1万円で同じクオリティーのものがあれば、それは100万円の価値にはなり得ません。単なるイタイ奴です。でも、80万円の価値と100万円の価値の違いを明解にすることは難しいでしょう。100万円のサービスを1人に届けるか、10万円のサービスを10人に届けるかは売り方の戦略になります。ということで少なくとも、100万円の価値を説明出来ること、そして儲けた利益から社会に還元するシステムを作ること。これが自分の中にある矛盾への処方箋です。         出会いや経験によってアップデートしていくことでしょう。       次回は「あったらいいな」を書きます。読んでくれてありがとう。

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