坂本龍一/戦場のメリークリスマス

正式なタイトルはMerry Christmas Mr.Lawrence

 坂本龍一の代表する作品。繊細なメロディで美しい名曲です。Debussyの4度のための練習曲的でありながら、どこか西洋的でない響きもあったりして不思議な作品です。(DebussyやRavelにもそういう作品はありますが……)

 分解して聴くと和音としてはかなり違和感を覚えましたが、小節ごとに見ると、1度7度13度,7度9度。イントロ部分はIV→V7→IIIm→VIの4小節ごとの繰り返し。主旋律の和音は、IV→V7→VIm→IIImと落ち着いた響きを生み出します。曖昧でジャズコードのように複雑ですが、ピアノだけで演奏すると広いスケールによって生み出される和音の豊かさ。それがこの作品の魅力に繋がっています。変ロ短調+サブドミナントで始まるというのは1回聴いただけではよく分からない不思議な旋律です。(Keyを見れば変ニ長調という解釈もできるかもしれませんが)

ざっと見てみるとかなり理論的につくられた作品であるということがわかります。作られた当時にその意識があったかどうかはわかりませんが、上記のように解析していくとそうなります。

クリスマスも近いのでちょっとだけ取り上げてみました。以上です。



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