【まるたけ児童文学館】キノコ会議 夢野久作著

夢野久作
 日本探偵小説三大奇書の一つ『ドグラ・マグラ』を書いたひと 
 このごろは、夢久、夢Q などとも呼ばれている。
 多才な人で、怪奇的幻想的な小説を書く一方、禅僧でもあり、詩や短歌にも長けていた。陸軍少尉、郵便局長であった時期もある。
 デビュー作は、あやかしの鼓。
 筆名の夢野久作は、小説を読んだ父の感想からきており、
「夢の久作の書いたごたる小説じゃねー」
 福岡地方で夢の久作といえば、「夢想家、夢ばかり見る変人」という意味を持つ、つまりは方言。これをきいた瞬間、久作はピンときたのだろう。そのままペンネームにしてしまって、以降はこの筆名で活躍を始める(別名義の作品も多数あるが)。ドグラマグラをものにできたのは、このペンネームのおかげかもしれない。
 ちなみに、ドグラマグラは、執筆に十年をかけた久作渾身の書だったが、これを発表したころは、くだんの父の負債と愛人の処理におわれており、その処理報告を受けている最中に、脳溢血で昏倒、死亡したというエピソードをもつ。
 つなみに久作には、陸軍少尉であった時期があるが、これもくだんの父に、家族のもとに帰る(愛人とわかれて)条件としてだされたものであり、久作は家族のために、近衛師団に入隊したのだった。父に振り回された半生に見えなくもない。

 キノコ会議は、コミカルな寓話となっており、話のしめにもおかしみを持たせている。短い作品ですが、ちょっと笑えます。

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