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The Painted Bird

映画「異端の鳥」(バーツラフ・マルホウル監督)から。
久しぶりに、人間の卑劣な部分を思い知った気がする。
制作は、チェコ・スロバキア・ウクライナ合作だけど、
どこの国にもあり得る、差別、いじめ、リンチなどのシーンが
これでもかってくらい続く、見ていて辛い内容だが、
2時間49分の長編・モノクロにもかかわらず、
あっという間に、観終わった。
モノクロの効果は、肌の色も髪の毛の色もわからない。
ということは、自分たちには関係ない外国の話ではなく、
世界のどの国でもあり得る話として受け止められた。
原題「The Painted Bird」で象徴されるように、
黒い鳥を、わざわざ白くペイントして空に放すシーンがあり、
たぶん以前は仲間として認識していたにもかかわらず、
今度は、和を乱す敵として認識し、多勢で攻撃を仕掛け、
傷つき、疲れ果てて墜落する光景が目に焼き付いている。
最近、よく耳にする「LGBT」をはじめとしたマイノリティも、
最初は、こんな状態だったのだろうか。
この「The Painted Bird」も複数だったら、もっと多かったら、
結果はどうなったのだろうか、
そんなことまで深く考えてしまった作品となった。

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