死神のこども 2

私は呆然と、もともとは子供の構成成分であった砂山を見つめていた。「ヨル!こども、今日だろ?」ヒカリがやってきた。「ああ。顔の整った美しい子がきた。でも」と足元に目を落とす。「砂の山になってしまった。思い当たるふしはいくつもある。魂を管理するような仕事だ、呪われたのかもしれない。」「そんな!たしかに悪質な奴らばかりだったけど、2人で全部厳重に封印したじゃない!万が一、絶対ないと思うけど、万が一封印が緩んだ時のために、ヨルも私も血印まで残したんだ、ありえないよ」「そうか、そうだよな」辺りが静かになる。たまに、玻璃の表面が軋む音がするくらいで、静かすぎて逆に耳が痛い。


「ジウ」呟くと、え?とヒカリが聞き返す。「ジウ、って名付けることにしたんだ。なあヒカリ、砂を保管して管理課に持って行ったらなんとかなるかな。前例があるかもしれない。」私はそういって、丁寧に砂を集め始めた。下界を覗くのに使っている水鏡の甕に、砂を沈めていく。一粒残すことなくかき集めて盆に入れると、ゆっくりと揺らめきながら水底へと沈んでいき、底に煌めく小山をつくった。取りこぼしはないはず。地面である玻璃の上に砂があればざらつく。滑らかな玻璃を探りながら、取りこぼしはない、大丈夫と自分に言い聞かせる。

「管理課に聞きにいく。おそらく創世課にも行かないとならないよな。ヒカリは仕事あるんだろ?こっちは急ぎの仕事はないから1人でいける。」「一緒に行く。こっちだって急ぎのはない。ちょうどいいから、半休分有給使う。」

私とヒカリは、煉獄の中心にある、天死省に向かうことになった。





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