「五月」の話

前回からだいぶ間が空きました。
間を空けているうちに地域おこし協力隊の任期も折り返し地点。
いよいよ焦りが募る、そんな時期。
とてもじゃないけど、暮らしていけるような状況にはなってない。
でも楽しい。
勝手に忙しくしてるだけ。
誰かがお仕事くれるわけではない。
でも楽しいし、ここに存在していていいなと思わせてもらえるような日々の中にいます。

具体的に。
4月、5月6日のコントワークショップ発表会の稽古に追われてお休みは二日だけ。
5月6日はコントワークショップ発表会だけではなく、お笑いマスター決定戦敗者復活、そして「大喜利マスター決定戦」という新しい大会も開催しました。
コントワークショップは前回、「ディープカルチャーストリート」という一週間の間に石巻の中心街で様々な文化的イベントが行われる中の一つとしての開催でした。
なので、他のイベントとはしごされた方も多くて集客はそれでなんとかなりました。
しかし、今回は個人としての開催。
集客に頭を悩ましていました。
一方、お笑いマスター決定戦敗者復活も前回はお祭りの中のイベントとしての開催。
こちらもお祭りに来たお客様に審査していただき、集客はなんとかなりましたが、大会としてはどうしても営業っぽいネタの方が有利な客層なのはどうなのか、という反省はありました。
それを同時に解決する方法が大喜利マスター決定戦でした。
そもそも大喜利マスター決定戦は、お笑いマスター決定戦敗者復活の出演芸人さん全員に決勝進出者のようには予算上、どうしても交通費が出せないという悩みから始まりました。
「優勝者に賞金5万円」という条件なら、東京からでも交通費は足りて石巻観光代にもなります。
目論見通り、コロナ禍が過ぎていく時期だったのもあって東京から、更には大阪からも敗者復活戦・大喜利マスター決定戦に参加する芸人さんが現れました。
そして、芸人さん以外にも一般の大喜利の猛者たちの参加もありました。
こうして芸人さんも大喜利参加者もワークショップ参加者もお互いのステージを見る、お笑い濃度の高い現場が石巻に作られました。
題して「石巻笑いの日」
石巻に来てからの集大成。
ありがたいことにゴールデンウィーク、お笑いのお仕事を複数いただき、充実した日々の中での一大イベント。
前日深夜3時まで進行台本書きながら迎えた当日、朝起きただけで「無事今日を迎えられた」と感動するレベルでした。
本当に大変。
でも全てをこの日に集めて本当に良かった。
ワークショップでは12本のネタと1本の即興コント。
大喜利マスター決定戦とお笑いマスター決定戦敗者復活についてはどうしても「裏方」の側面が強いのですが、ワークショップに関してはもちろん参加者の方を立てつつも自然と「複数のネタを演じる自分」が目立てる場でもあります。
いわば、主役になれる場所。
やりきって、見ていた芸人さんからかけられた言葉は「お笑いが好き過ぎて狂ってる」でした。
最高の誉め言葉。

こうして、全ての力を使い切ったと思った翌日、仙台で主催ライブをしました。
ありがたいことに仙台の主催ライブは約一年で出演者が激増。
大学お笑いブームが東北にも来たからです。
ありがたいことに若いバリバリに鋭い発想力の子たちとライブさせてもらってます。
東京では大学お笑いに限らず、住み分けがしっかりあって別界隈の芸人さん同士が交わるライブって全然ないのですが、仙台ではその垣根などなく、学生芸人さんと関われています。
過去、東京でそういうライブをやろうとしては出演者が集まらず何度も失敗してきました。
思えば「地方でのお笑い」も「学生お笑い」も芸人人生でずっと経験したかったことの一つ。
移住して地方でのお笑いを経験することはできましたが、この歳で学生お笑いと混ざる経験ができるとは思ってませんでした。

そして、今度こそ力を使い果たしたと思った翌朝、保育園にいました。
保育園で子どもたちの前でネタを披露する営業。
無事、5歳の子たちにウケました。
まだまだ経験してないことがたくさんあります。
悔いなく、全て経験したいです。

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