専門家の意見とフェイクニュース(清水勝彦研究室ブログ)

ブームに人は群がる(というか人が群がるものがブーム?)。私の体験したもので言えば、1987年NTTの株式公開(当時は時価総額世界1位)、その後の土地・株式バブル。目新しいところで言えばタピオカ。終わるからブームというのだろう。

ブームの時、ほとんどの専門家は「一過性ではない」と理屈をつける。「バスに乗り遅れるな」「This time is different」と。そしてブームが終わると全く反対のことを言い出す。プロと素人の差は予測・予想の内容や精度ではなく「自信を持っているかどうか、理由がたくさんあるかどうか」だとUC Berkley のテトロック教授は言う。

最近のEVブームも全くそうだ。「日本の自動車会社はEVで周回遅れ」と日本のマスコミは非難一色だったが、実はブームに乗ったアメリカ企業も中国企業も苦労している。テスラさえである。また専門家は手の平を返す。最近の円高、株安も全く同じことがいえる。

専門家は未来について、フェイクニュースは過去の事実についてだから、もちろん全く同じではない。しかし、いずれも考えなしに信じてしまったとき、その結果が自分に降りかかるのは同じである。そして、「信じた自分が悪い」としても、だから次にどうするべきか。何も信じず、何もしないことがベストの選択とはとても思われない。

自分で考えて失敗して初めて学びがある。「Thinking is very hard work. And the management fashions are a wonderful substitute for thinking」とドラッカーが指摘した通り。大学の先生がしたり顔でいうのは話し半分に聞いておいた方がいい?

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