AOMシカゴ報告1(清水勝彦研究室ブログ)
8月半ばにシカゴで開かれた2024Academy of Management (AOM)総会には無事出席・発表できた。最高気温が30度を越さない日も多く、とても快適だった。ショッピングエリアの交差点に物乞いの親子がたくさんいるのもこの気候ゆえではないかと思ってしまうほど。
中国人の先生が目立つのは当然として、1年飛ばしてしまったせいかもしれないが、構成も結構変わっていた。その中で圧倒的にドミナントだったテーマはAIである。
AIと働き方、AIと起業、AIとクラスなどで、そうしたセッションには出席者も多い。ChatGPTを使ってスタートアップのビジネスモデルを作る実演的なプレゼンテーションもあった。「AIプラットフォームでおすすめの起業アイデアトップ10をあげろ」「そのうち市場性を考えてトップ3に絞れ」「ターゲットは?」「競合のリンクは?」「差別性は?」等々どんどん聞いていき、最後は「〇〇と△△の要素を入れてビジネスモデルを作れ」まで。1学期をかけてやるクラスの内容が2時間半でできてしまうという。
AIはアイデア創出だけでなく、選択もできる。前者はシュンペーターの言うところの「新結合」なので既存から学ぶAIは脅威としか言いようがない。後者も進んでおりAIの作ったビジネスモデルのほうが人の作ったものよりVCの評価が高いという発表もあった。
気をつけないといけないのはウェブの内容の4割以上をAIが作っていると言われる現在(これはさらに進む)、どこかで破綻が来るのではというリスク、そしてそれも含め2ヶ月前には良かったものがあっという前に陳腐化するリスクだ。「AIエキスパートと言われる人の価値もあっという間に無くなる場合が多い」という指摘も厳しい。
こうした混沌、不確実性な時代だからこそ、原理原則が重要だという以前からの私の訴えは単なる自己正当化?
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