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大腰筋を目覚めさせる2つの機能

腰椎と股関節をを繋ぐ唯一の筋肉である大腰筋。
大腰筋は姿勢や動作に大きく関与するとても重要な筋肉です。

人間の身体重心は第2仙骨前方と言われています。

図で見てわかるように、大腰筋は身体重心位置を大きく覆っています。
覆っているにも関わらず骨盤には付着していません。

そのため、上半身と下半身を結ぶ蝶番づかいのような機能をしています。

結果、大腰筋が機能低下すると、身体は「逆くの字」のような姿勢をとりやすくなります。

身体重心が第2仙骨前方にあることを考えると、この大腰筋の機能が変わるだけで容易に姿勢制御が変化します。特に「股関節戦略が機能的に働くか」は大腰筋による影響が大きいです。

また、大腰筋の近位部と遠位部の筋線維の違い

大腰筋は近位はType1線維が、遠位はTypeⅡ線維が優位
近位は姿勢保持に、遠位は股関節運動に関与すると言われています。


Juraj arbanas:Fiber type composition of the human psoas major muscle with regard to the level of its origin.Journal of anatomy:2009

・屍体標本とMRI データから大腰筋は姿勢変化にかかわらず腰椎前弯を変化させない 機能を持つ としている.(Santaguida)
・大腰筋は腰椎前弯のコントロールに関係している(GracovetSkyS)

これらのことから、近位部の大腰筋は座位でも立位でも生理的腰椎前弯を保持する機能を必要とします。

この特性を考えると、股関節を屈曲させる機能というよりは、『腰椎と股関節の分離運動機能」が重要になってくると考えられます。

今までの内容をまとめると、ザックリ大腰筋の役割は
①身体重心を支えるための股関節制御機能
②腰椎と股関節の分離運動機能

が重要となってくるのではないでしょうか?


①身体重心を支えるための股関節制御機能

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