その日が迫ってきた

今日も担当医に呼ばれ病院へ。たまたま妻も時間が合ったので一緒に向かった。妻が親父と会うのは何ヶ月ぶりだろう?というくらいぶり。やせ細った姿に驚きもあった様子。

父の肺がんは脳へ転移していた。
大きなもので3センチ程の影が前頭葉部分に見える。1センチくらいのものも複数、その他小さなモノも多々ありそう。とにかく複数多発している。前頭葉部分には気力に関わる機能もあるそうで、やる気の無さはこうしたモノも原因だったのかもしれない。との話もあった。

結果的に抗がん剤は効いていなかったという結果だった。全く効果がなかったのではなく、進行を抑える様子は見せていたものの、胆嚢摘出手術から回復までの期間で全く抗がん剤投与出来ず、その間に進行してしまった様にも見える。

抗がん剤治療には自力で食事をしたり、生活に必要な運動が出来るレベルの力が必要とのことで、それに満たない父の身体と現在の進行具合をふまえ、抗がん剤治療の継続を断念することになった。

ちょうど1年前に「余命半年」と宣言されてから、一度は家に戻り一人暮らしを送ったほどまでの回復を経て現在の入院となるのだから、父にとってはやるだけのことをやったという気持ちだろうと思う。病院のケアも手厚く、担当医の説明もわかりやすく親身に対応いただけたことも感謝の気持ちしかない。

「長くて1ヶ月。ただ、脳への転移進行を見ると、呼吸や心臓が突然止まるなどの状況も起こり得ることを知っていてほしい」と医師の言葉は続いた。

父は呼びかけに応えるし、短い会話も行うけれど、ちょっとした時間が開けばすぐに寝てしまう。苦しさや痛みはなさそうなのが幸いだ。

僕は一番お世話になっているクライアントさんへ今日連絡をした。先方も理解いただけて、安心して父のことに集中することができそう。

周りに残された家族に出来ること。それは何があるのか全く検討がつかない。父のことを心配する身内の方々への連絡をするくらい。飲み込むことが出来ないので食事も受け付けず飲み物も禁止。

夜になるといつ電話がなるかビクビクする気持ちもある。今日は寝ようかな。

頂いたお金は両親の病院へ通う交通費などに活用させて頂いております。感謝いたします。