会わせたい人が居たら声をかけてあげてください。

医師から伝えられた言葉は残された時間の少なさを表していた。長くて1ヶ月と言っていたけれど、たぶん1週間程度というのが現実なのではないのだろうか。

父の交友関係はわからなくて、父の弟妹へその旨を伝えるのが精一杯だった。本当に父の会いたい相手が誰なのかはわからない。ただ数時間かけて見舞いに来てリハビリに付き添っていた弟や、なにかと顔を見せていた妹との会話は次に会うのが最後なのかもしれない。

母はどうなのだろう。ふと思う時もあるのだけど今この状況で母と会うのが良いのかはわからない。父のことを理解できるかわからないし、父の望む対話が出来るかはわからない。このまま会えないのも良いのかもしれないって今は思ったりしている。

僕自身に置き換えたら、今がその時だとしたら沢山会いたい人がいるし、中途半端になっている約束を実現させたりもしたいし、謝りたいと思うまま会えなくて実現出来てない人達もたくさんいる。父にはそういう相手はいないのだろうか。

あと一週間。それが山場だと思ってる。

今僕は何も手につかず、睡眠も中途半端で、常にぼーっとしている。本当に父の死期を感じているからだと思う。

何ができるのか。を考え、何をすべきか。を考えながら、父との関係なんかを振り返ったりもしている。
父はどこかで僕のことを小馬鹿にしているところがある。悪気がある感じではなく「全くしょうがないな」って感じで笑うのだ。この感覚は安心する。
今日は「このクソ暑い中、クルマのエアコンが壊れた」って話をしたら大笑いしてむせていた。「またボロいクルマ乗ってるから。お前はいつも馬鹿だな」と笑っているのはわかった。

これで良いんだって思って今日は帰宅した。片道50km、連続して3日間通っている。お盆休み前の大渋滞の首都高を通りながら。

頂いたお金は両親の病院へ通う交通費などに活用させて頂いております。感謝いたします。